これまで人気のトレードが相次いで手仕舞われ、損切り、マージンコール(追加保証金)など、きな臭い事例が相次いでいる。
まずは、なんといってもビットコインの暴落。
6万ドル台の高値から、半値以下の2万ドル台に急落している。
ビットコイン所有者の半分以上が含み損をかかえる状況だと言われる。
塩漬けするか、見切り売りするか。
以前、本欄英語講座で説明した「not pretty」という市場の光景だ。
クリプト(仮想通貨)はbloodbath(血の風呂)とも表現される。
暴落の理由は金融引き締めによる市場内流動性の低下だ。
カネ余り時代の落とし子であっただけに、傷は深い。
ビットコインは先物商品もあるので、追加証拠金を払えない事態も相次ぐ。
必要な現金捻出のため儲かっている金を売却する事例もある。
株式市場でも仮想通貨関連の銘柄が売り込まれている。
ビットコインショックの影響は広範囲に及ぶ。
人気商品だっただけに、絵に描いたようなリスクの連鎖だ。
一時は、これからのインフレヘッジは金ではなく、ビットコインだ、と言われたが、あっさり、化けの皮が剥がれた。
自粛、自宅待機で時間を持て余した若者俄か投資家が、なんとなくビットコインを買って、今や、大損に泣いているエピソードは数多い。
機関投資家の買いも増えていたが、彼らは、あっさり見切り売りに動いている。
「豊島さん、やっぱり金ですね」と言われ、無言で頷いた。
この御仁は、たしか先月までは、金よりビットコインと叫んでいた。
客観的にみれば、筆者は、これでビットコイン終焉の時とは思わない。
ブロックチェーンのテクノロジーは堅固だ。
今後も一つの投資セクターを形成してゆくであろう。
但し、このボラティリティの激しさは、なんとか規制で制御しないと、今回のような悲劇が繰り返されるであろう。
ビットコインが先物市場に上昇して、更に、先物価格に連動するETFが発売されるに及び、筆者は、ビットコインに対する空売り攻撃の可能性をリスクとして指摘してきた。
仮想通貨市場の流動性を高めることは、売りリスクを高めることでもあるのだ。
この苦い体験が、若者にわか投資家(おじさんにわか投資家もいる)が、投資について勉強するキッカケになれば、雨降って地固まることになるかもしれない。
なお、外為市場では、ドル買いの通貨ペアとして円よりユーロが注目され始めた。
昨日は円が買われ、ユーロが売られている。
ウクライナに近いユーロ圏のリスクが嫌気されている。
ここは、円安がいつまで続くかの議論では、重要なポイントになろう。
暫時、展開を注視したい。
さて、大荒れ相場で、アドレナリン全開となり、肉食系になった筆者だが、定期健康診断で、もともと瘦せているのに「中性脂肪」「血糖値」などの数値が急騰。
ドクターからイエローカード。
まぁ、たしかに、昼寝て夜仕事して、生活時間がバラバラだったからね。
ここは、おとなしく渋々ドクターのアドバイスに従おう。
でもタイ焼きだけは、大目に見て!(笑)