21日のNY市場の注目は、パウエルFRB議長とラガルドECB(欧州中央銀行)総裁参加という珍しい組み合わせの檀上討論会であった。
その席で、パウエル氏は「利上げ幅0.5%も検討の対象」と明言した。
通常、FRBの利上げは0.25%刻みなのだが、インフレ進行が想定を超えるスピード(年率8%超)なので、小刻みに連続利上げしても、インフレの勢いは衰えない、との認識だ。
そもそも、0.5%刻みの利上げはFOMC内で超タカ派とされるブラード・セントルイス連銀総裁が言い始めたことで、当初は極論とされていた。
それが、今や、主流の議論になった。そのブラード氏は、更に突っ込み、0.75%刻みにしないとインフレ退治の効果は期待できない可能性がある、とまで言及している。
これも、当初は極論扱いだが、ハト派主導格のデイリー・サンフランシスコ連銀総裁が、0.75%利上げ幅を否定しなかったことで、いずれパウエル議長も同調する可能性が出ている。
いかにFRBがインフレ対応に後手を取り、焦っているか、が露呈した。
インフレを火事に例えれば、消防車2-3台出動すれば消火できると踏んでいたのが、類焼拡大ではしご付き消防車数台まで動員する羽目になった感がある。


このままゆくと5月FOMCから3回連続で0.5%利上げとの観測も出始めた。
年内には、政策金利を2%まで引き上げる、との認識が、年内3%まで引き上げるシナリオも浮上している。
この利上げペースを織り込むかたちで、NY債券市場では、10年債利回りが2.93%、2年債利回りが2.71%まで急騰中だ。3%の大台が視野に入る。
それほど強い利上げを連発して、果たして、副作用の景気後退が生じないのか、市場は懸念する。
スタグフレーション(物価上昇、景気後退の同時進行)も考えられる。
金市場の反応だが、強力な利上げ攻勢で、首尾よくインフレが鎮静化すれば、インフレヘッジとしての金の出番はなくなる。


いっぽう、これほどの利上げでもインフレが制御できないということになれば、インフレヘッジとしての金がさらに買われることになる。
スタグフレーションともなれば、景気後退で株は売られ、物価上昇で国債・預金は実質価値が目減りするので、金の独り勝ちになる。
現時点で、今後の展開が読み切れないので、国際金価格は1,940~50ドル近辺でくすぶっている。
とはいえ、依然、歴史的高水準に変わりはない。
なお、米利上げが加速すれば、円安は130円を突破するであろう。
昨日はNHKの外為関連取材を受けたが、今や、円安が国民の関心事になってきた。


さて、今日の写真は、我が家の花だが、例年GWに咲くのが、今年は異常に早い。

 

豊島氏自宅の花1
豊島氏自宅の花2
豊島氏と犬

 

やはり異常気象か。
さっそく、白薔薇を見ながら京都の筍ピザを食す会を開催することに。
外出・人出は避け、アットホームなGWになりそう。