円建て金価格が史上最高値圏でも金を買う人が増えている。
理由は様々だ。
例えば、中国の台湾軍事侵攻を危惧して金を買う人が九州、沖縄にはいるし、日本海側の県では、北朝鮮のミサイル着弾を危惧して金を買う人もいる。
そして、北海道にロシアが軍事侵攻することを恐れて金を買う人もいる。
それぞれ、まさか、のシナリオだが、それが、まさか、と切り捨てることが出来なくなっている。
それほどに、ウクライナへのロシア軍事侵攻は日本人にとっても他人事ではなくなった。
プーチンの真意についてロシア専門家たちが、いろいろコメントしているが、ひとつだけ確かなことがある。
それは、地球上で誰一人、プーチンの本音を正確に読めるひとはいない、ということだ。
習近平もしかり。
全体主義国家が独裁者により支配されれば、何が起きるか分からず、日本が巻き込まれる可能性があることを思い知らされた。


いっぽう、インフレへの備えで金を買う人も増えている。
まだ、日本の物価上昇率は低いが、生活実感として物価が上がってきたという感覚に反応しているのだろう。
但し、インフレを体験として実感しているのは高齢者で、現役組はインフレ未体験だ。
ただ、量的緩和の号砲のもとに市中にばら撒かれた未曽有の量のマネーが回収されず過剰流動性として残っていることに、本能的不安を感じる人たちは少なくない。
特に、若手は、氷河期世代なので、金について、「下がるとすれば、どこまで下がるか」を聞いてくる人が多い。
売買益を追求して儲けるというような話には、「今どき、そう、うまい話はない」と警戒する。
とにかく老後まで資産価値の目減りは防ぎたいとの思いが透ける。
対照的に、バブル世代は「どこまで上がるか」とギラギラした目で聞いてくる。
「プロなのだから、なにか、裏技を知っているだろう。出し惜しみするな」とばかりに迫ってくる(笑)
セミナー会場の雰囲気も、氷河期世代は、金について、とりあえず学ぶという姿勢なので、まるで予備校の講義みたいな雰囲気で、サラサラとメモをとる音だけが聞こえてくる。
対して、バブル組は、「金で一儲け」の欲望が満ち、バブルおじさんたちの発する「がっつり投資フェロモン」が加齢臭とともに会場に満ちる。
そもそも「資産としての金」など未体験ゾーンなので、おそるおそる、「金なんてヤバイのでは?でも興味ある」というノリが目立つ。
「豊島さんは金の専門家というから、怪しい人だと思ってました!でも、すごく真面目な方ですね」などと、あっけらかんと言われたこともある(笑)
親子や夫婦でとりあえず様子を見に来たというペアが増えていることも最近の特徴だ。
赤ちゃん連れの若夫婦だと、赤ちゃんが泣きだすこともあり、慌ててロビーに出てあやすのは、たいがい、夫のほうだ。
妻が熱心にメモをとっている。
もう、こんな日本は捨てて、コロナが収まったら、サッサと海外に移住を決め込む若夫婦もいた。
「移住するとすればどこの国がいいか」と唐突に聞かれたこともある。
ただ、再開された対面式セミナーも、ここのところの感染再拡大で、リモートに切り換えられる事例も出始めたところだ。
リモート形式だと、なかなか、参加者の雰囲気は掴めないので、未だにやりにくい。
あたかも太平洋に向かって石を投げているごとき感覚になる。


さて、今日の写真は、山菜の代表格、タラの芽。

 

タラの芽

現地ではボチボチ芽が出始めたとの最新情報。
採れたてのタラの芽をサクッと天ぷらにして塩一振りで食する。
これは、たまらんね~。
私は酒を飲まないが、さすがに、このときばかりは冷えたビールが旨そうに見えるよ。
筆者は無類の山菜好き。
採り方も師匠に教えを請い、なんとか師範代くらいの域には達したかと自負している(笑)
山形県まで足を延ばすと、山菜だけ10種類以上供してくれる専門店もある。
旬の季節が短く、現地の人は、それぞれに「秘密の山菜スポット」を知っているので、タイミングを計り、今年も山菜狩りに繰り出す予定だ。