ウクライナ戦争で筆者が最も危機感を抱いたのは、ロシア軍がウクライナの原発・核施設を砲撃、占拠したときであった。
まさに核の危機リスクを感じた。
そして、有事が日本人にとっても「他人事ではない」と感じたことが、昨日報道された首題の日本海ミサイル発射だ。
一人の日本人として脅威を感じた。
これまでは「有事」といっても、日本からは遠い地球の裏というような感覚があったが、今回は違う。
台湾有事、北朝鮮ミサイル発射、そして、ロシア軍ミサイル発射。プーチン大統領なら、照準を日本領土に合わせ威嚇発射しかねない。
日本人も有事に備えねばならない時代になったとつくづく感じている。


さて、欧米イースター休暇入り前のNY市場では、小康状態にあったドル金利が再び上昇したことで、ドル高・円安が126円まで再び進行した。
ドル建て金価格は大きく動かなかったので、円安分だけ、円建て金価格は上昇している
筆者の40年に亘る金市場との付き合いのなかでも、国際金価格が1,900ドル台という歴史的高値圏にあるときに、外為市場ではドル高・円安が進行するという局面がこれほど長く続くことは初めてのことだ。
国際金価格が1,900ドルを突破したのは、2011年ギリシャ危機、そして一昨年、そして今年と3回ある。
そのなかで、2011年は80円を割り込む超円高、2020年は105円とか108円の円高傾向であった。
しかるに今回は120円台の円安。
130円予測が今や当たり前になってきた。
国際金価格は同じ1,900ドルでも円相場はそれぞれ全く異なる次元にある。
従来はドル建て金価格が上昇しても円高で相殺されることが普通であった。


そもそも市況の法則が、ドル安(円高)=NY金高であった。それゆえ、金の世界ではパラダイムシフトが起きているわけだ。
NY金高、ドル高、円安の共存となったのは、米国のインフレが年率8%台まで亢進したのに対し、日本では、相変わらず物価上昇率目標の年率2%が達成されていないからだ。
結局、米国のインフレ懸念でNY金は買われると同時に、米国がインフレ退治を優先させて利上げに動き、ドル高・円安になった。
纏めて言えば、日米金融政策が米国は引き締め日,本は緩和継続と割れていること。
その背景として、米国では物価が急上昇中だが、日本では未だに物価上昇率2%が達成されないことが挙げられる。
しかも、未曽有の量的緩和で、ドルも円もユーロも通貨の価値が希薄化している。
円建て金価格史上最高値更新の意味は深いのだ。
筆者が驚くことは、日本でも国民の間では物価高が実感され始めたので、史上最高値圏でも、将来のインフレヘッジとして金の買いが見られることだ。
従来であれば、顧客の売り一色となるところだ。
それほどに、円という通貨への信頼度も落ちているということだろう。
筆者がしばしば引き合いに出す、日銀OBたちの個人的金買い傾向は加速している。
量的緩和というカネばらまき金融政策の現場に長く身を置いた人たちが、虎の子の退職金を円では持ちたがらないという傾向は、実に示唆的である。
なお、国内金価格史上最高値のニュースはNHKニュースでも報道され、お茶の間の話題になっている。
筆者もNHKの取材を2回にわたって受けた。いずれユニークな番組として放映されるだろう。


さて、今日の写真は、バジルのふわふわニョッキと、つぶ貝・ホタルイカのトマトソースパスタ@自由が丘、マガーリ。

 

バジルのふわふわニョッキ
つぶ貝・ホタルイカのトマトソース・パスタ

これからのシーズンは筍のパスタもゆける。
円安騒動などで殺伐とした仕事場を離れ、ほっこりした時間を家庭的雰囲気のなかで過ごせた。