注目の3月米国消費者物価率は年率8.5%と加速。
金価格はKITCOグラフ緑線の如く1,970ドル突破後、1,950ドルで推移している。
注目の3月米国消費者物価率は年率8.5%と加速。
金価格はKITCOグラフ緑線の如く1,970ドル突破後、1,950ドルで推移している。
再び、2,000ドル台を窺う。円相場も125円台ゆえ、円建て金価格は連日の高値更新だ。
今が最も上昇モメンタムに乗っているときであろう。
FRB高官からは、インフレ退治最優先で、金融強力引き締め策が相次いで発表されるが、金市場は、もはや、インフレはFRBの制御不能と見ている。
セクター別の物価上昇率も、ガソリンが突出しているものの、総じて全面高になってきた。
中間選挙の争点となるは必至だ。
これほどインフレが拡散すると、2,000ドルでもインフレヘッジとして買う投資家が増えそうだ。
それほどに、米国のインフレには切迫感がある。
日本でも企業物価が9.5%まで上昇。
川上では既にインフレ感が強い。
川下にもジワリ波及するは必至の情勢。
さすがに「物価が上がらない国ニッポン」でもインフレ懸念が市民の間で話題になり始めた。
いっぽう、米国株式市場では、8.5%に達したことで、そろそろ物価上昇もピークアウトを唱える市場参加者が増えてきた。
株式押し目買いの口実にも聞こえるが、株式市場内では意見が割れている。
対して、金市場にはピークアウトはまだまだ先の話と捉える投資家軍団が集結している。
以下は、筆者が今朝書いた株と商品価格高騰についての原稿。
タイトルは、パウエル氏は、株安をどこまで容認するか。
FRBのミッションは物価安定、雇用安定、そして市場安定にある。
この3目標を同時に達成するのは容易ではない。
今年のFRBは物価安定が最優先課題。
政策金利を10か月でゼロから2%超に引き上げる姿勢だ。
しかも、12日にブレイナード理事(次期副議長候補、議会承認待ち)は、利上げと資産圧縮の総合効果を重視する必要性を強調した。
すなわち、資産圧縮の規模により、利上げ何回分の引き締め効果に相当するなどが精査されそうだ。
その総合効果は、利上げ2%超より高く3%相当に近くなるかもしれない。
仮に短期的にそこまで引き締めれば、株価の下押し圧力が強まる事態は不可避だ。
この点を計りかね、足元の米国株式市場は薄商いのなかでボラティリティ(価格変動)は激しい状態が続いている。
市場参加者の相場観も、各種サーベイを見ると、強気より弱気のほうが明らかに多い。
様子見でキャッシュ・ポジションの配分も依然高いままだ。
強力な引き締め策が株安を誘発することは覚悟している市場が最も知りたいのは、パウエル議長が、どこまで株安を容認するのか、ということだ。
「物価安定」を優先させるために「市場安定」をどこまで犠牲にする気か。疑心暗鬼になっている。
当のパウエルFRB議長は勿論「市場の安定には配慮する」との姿勢だが、これだけは、実際にやってみないと分からない。
その過程では、これまで「何でも上がる相場」と囃され、過剰流動相場ゆえ買われた分野が、まず売られることが望ましい。
しかし、マクロ経済に景気後退クラスター弾を撃ち込めば、財務体質良好な企業まで巻き込まれ犠牲になるリスクがある。
それゆえ、市場の反応も、敵役はプーチンではなくパウエル、と身構える姿勢が目立つ。FRB議長と市場の蜜月は終わった。
なかには、「FRBには逆らえぬ」と、流れ弾被弾のダメージを最小限に抑えるべく決算ガイダンスを控えめに出す企業もある。
米国市場は、これから決算期に入るが、投資家はガイダンスが当てにならないと嘆く。
そもそも新型コロナとウクライナの二大不安定要素により、ガイダンス発表を回避する企業も少なくない。
なお、コモディティ価格高騰がいつまで続くのかも、不安定要因だ。
一昨年の今頃はマイナス37ドルまで暴落していた原油価格が、100ドル前後の水準まで暴騰している現状は、単なる需給・地政学的要因だけでは説明がつかない。
実態は、価格変動が余りに激しいので自己勘定で原油を売買するトレーダーが激減した結果、一部の投機筋の草刈り場と化しているのだ。
ニッケル売買頓挫の事例の如く、そもそも市場流動性が少ないところに、ビッグマネーが入り込むと、金魚鉢の中の鯉状態にもなりがちだ。
この商品先物市場の実態を理解できず、乱高下する商品価格の変動に振り回されている。
これこそ投機筋の思うつぼだ。
米国のドッドフランク法は大手金融機関の原油自己勘定売買に規制をかけ、原油価格安定を計ったが、結果的には売り手と買い手をつなぐ潤滑油役も果たしてきた大手金融機関が相次いでトレーディング部門縮小・撤退に動き、市場の流動性が減少して価格変動を激化させる羽目になった。
そもそもLMEの事例にみられるように、ギルド的色彩の濃い商品取引にメスを入れることも必要だ。
とはいえ、今となっては、間に合わない。
米国の中間選挙では、商品先物価格の乱高下が庶民生活を脅かす現状の改革が一つのテーマになるかもしれない。
商品価格高騰が、中間選挙更には大統領選挙を左右しかねない異例の成り行きだ。
CFTC(米国商品先物取引委員会)の対応も注目される。
ひとつ確かなのは、FRB金融政策の管轄外ということである。
そのなかで、金は、お咎めなし。規制の対象外。
その理由は、金高騰で庶民の家計圧迫とはならないから。
金は「原油と異なり生活するうえで役に立たない」ことが、皮肉なことに幸いして、金価格が上がっても政治問題化しないのだ。
ドッドフランク法の規制にも金は引っ掛からなかった。
さて、今日の写真は、早くも京都から届いた筍!
京都の筍は食用たけのこ「孟宗竹」。
1200年前に唐から寂照院上人により長岡郡地区に持ち込まれた。
「白子たけのこ」と言われ、色の白さと刺身が出来るほどの軟らかさ、加えて独特の風味が特徴。
現地で筍掘りしたこともある。
冬季はたけのこ畑一面に藁を敷き、その上に土入れという重労働があることも知った。
長岡京方面の大原野(観光地の大原とは違うよ)の知り合いの生産者から直送。
炊くときも、アク抜き不要。まずはシンプルに焼く、あるいは炊く。
これが一番!祇園の行きつけ「味 らく山」の大将の熱の通し方はプロだね。
基本的なところにプロの実力が出るもの。
そして、相性がいいのがイタリアン風。
ゴルゴンゾーラ(クセのあるチーズ)とのパスタなど、特に旨い。