首題の記事が本日日経朝刊 マーケット商品面に載った。
3月には118億ドルの流入超過となり、金ETFが初めて上場されてから、最高になった。
ほぼ60トン相当。
昨年は流出超過が続いた時期もあったから、明らかに潮目が変わった。
買いの主体はヘッジファンド。
これまでの事例では、数か月から1年以内で売り戻す。
あとは、富裕層や年金のまとめ買いが目立つ。
ここは長期保有派。
最近は、中国人の買いも入ってくる。
中近東の政府系ファンドが購入した事例もある。


NYで初の金ETF上場に直接関与した筆者としては、本当に大化けした商品だと思う。
SEC米国証券取引委員会の認可取付には1年半もかかった。
SECは金の知見がなかったので、金のイロハからレクチャー。
その部分が、リスク開示文言となり、そのままプロス(目論見書)でかなりのページになった。
そもそも、米国最大の年金基金カルパース(カリフォルニア州職員共済年金基金)のCEOを9年務めたジェームズ・バートン氏がワールド・ゴールド・カウンシルのCEOにリクルートされ、年金が保有できるかたちでの金投資商品として開発された。
現物金を購入して、有価証券化して、上場することにより、年金運用にも馴染む。
上場後2年ほどは鳴かず飛ばずだったが、大手年金が買い始め、ブレイクした。
統計として発表されるのはストックとしての残高。氷山の一角であり、その背後には、大量の売買(フロー)がある。
特にヘッジファンド参入以来、出来高(未発表)は急増した。日本では、ネット証券がFX感覚の個人投資家向けにも販売している。
それゆえ、マネー流入期もあれば、マネー流出期もある。
総じて、年金や世界の富裕層の買いのストックが徐々に積み上がり、「根雪」の如くなっている。
その上に、ドカ雪のごとく、ヘッジファンドの買いが積み上がった。
この部分は、いつ、表層雪崩をおこしても不思議はない。


かくして、金ETF残高は、市場の方向性を示す重要な指標になったのだ。
個人的には、我が子の成長を見る思いで感慨深い。
なお、ETNというのは、現物の裏付けがない。金価格に連動するだけだ。
ETF導入により、金の金融商品化が進行して、金価格変動要因も、コモディティとしての需給より、マクロ経済要因の影響が強まった。


さて、今日の写真は、久しぶり、東京ミッドタウンの虎屋。
ここの季節の生菓子がお薦め。
抹茶、ほうじ茶、煎茶から選べる。
葛切りもゆける。
ホンモノだよ。そして、汁粉。きりがない(笑)

 

虎屋の生菓子

先日は男4人でスイーツ・セッション。
異様なオッサン四人組で、店内の雰囲気から完全に浮いていた(笑)

 

虎屋の生菓子と中年男性たち