与党が2,600万人の年金受給者に5千円程度を一律に配る与党案が炎上している。
7月参院選を控え、誰が見ても、選挙対策だ。この特別給付は結局、2050年代以降に年金をもらう今の中堅世代や若者の将来の負担となる。
5千円給付を受ける高齢者も、素直に歓迎するとは思えぬ。
少子高齢化で、どう見ても、今のままでは破綻は必然の現行制度に関する議論を進めねばならない段階だ。
それなのに、現制度を選挙対策に利用して、肝心の年金制度論は放置する気か。
結局、将来の世代に丸投げする本音が透ける。
結局、年金などアテにならない。
自らの老後は自らで守るしかない。


その場合、最大の問題は、老後まで名目年金の購買力を維持することだ。
年金の最大の天敵はインフレ。
それゆえ、最近は、年金運用にも金が組み入れられる事例が増えている。
老後が20年後、30年後とすれば、その間、実質価値が維持される資産の選択肢は少ない。
金は金利を生まない不毛の資産だが、価値の保存能力には優れている。
配当を生む株とのバランスを計ることが肝要だ。


今日は、名古屋財界での講演。
毎年恒例だが、今回は、対面形式で、ライブ感があった。
やはりインフレに関する質問が飛んだ。
上海ロックダウンでサプライサイドのインフレは長引くと話した。
資産を円だけで持つリスクも考えるべきと説いた。
今日は円安123円になっただけに、反響が強かった。
FPは、外貨建て投資は為替差損リスクに注意しましょう、と説くが、筆者は、円建て投資は円安リスクに注意しましょうと説く。
円も外貨も両方必要。
要はバランスの問題だ。