金価格が、ドル金利高、ドル高にも関わらず、1,950ドル近くまで上昇中。
昨日は、サンフランシスコ連銀デイリー総裁発言が特に注目された。
FRB副議長候補としてブレイナード氏の対抗馬として名前が挙がった人物。
筋金入りのハト派だが、22日には、同氏が見る中立金利2.5%を上回る利上げも2023年にはあり得ると発言。
0.5%幅利上げも選択肢として認めた。
FOMC会合2回ごとに1回のような過去の通常利上げペースを前倒しして早めるとのパウエル議長発言に同調したのだ。
この「前倒し=フロントロード」も利上げについてタカ派が好んで使う表現だが、ハト派が語ることは珍しい。
これでパウエル氏の利上げ加速案が、FOMC内のハト派からも支持されていることが確認された。
この潮目の変化に対応して、ゴールドマン・サックスは、5月6月連続0.5%利上げ、年後半は0.25%利上げと利上げ予測を修正した。
なお、デイリー氏は、普段から易しく金融解説を説明するためウェビナー(Webinar)にも積極的に出席している。
同氏は、不況を誘発せず利上げを成功させる米国経済軟着陸の難しさを、高速運転中にブレーキを踏むとき、後部座席の人が前のめりで頭を打たないように配慮する如く、と語っていた。
仮に、軟着陸に失敗してハードランディングとなれば、リスクオフで金は買われる。
いっぽう、パウエル氏のボルカー化も話題だ。
議会公聴会で、シェルビー上院議員からボルカー氏の前例を持ち出され、「ボルカー氏のごとく、価格安定のため、ちゅうちょなく、出来る限り実行する用意は出来ている」と答えたからだ。
ボルカー氏を「過去最上級の公務員」と称えている。
果たして、パウエル議長も歴史に名前を残すことにあるのか。
パウエル議長が21日に、司会役から「FRBが0.5%利上げすることを止めるとすれば何が考えられるか」との質問に「nothing何もない」と、にべもなく答えたことも、あらためて話題になっている。
ウクライナ戦争の影響についても、発言も興味深い。
今や毎度おなじみのブラード・セントルイス連銀総裁は、ロシアの出方など、利上げは待っていられない、と語った。
同氏はFOMC後、既に4回ほど発言している。
思えば、同氏が昨年後半に「2022年3月利上げ説」を語り始めたときには、極論と扱われたものだ。それだけに「それみたことか」との自負が滲む。
タカ派の鼻息は荒い。
市場が気になるのは、FRB資産圧縮プログラムの詳細だ。次回以降議論するということでほぼ発言は一致している。
メスター・クリーブランド連銀総裁が「まずMBS(不動産担保証券)から減らし、FRBのポートフォリオを国債中心にすべき」と発言した程度だ。
デイリー氏は、毎月の資産圧縮量次第では、1回利上げ相当分の引き締め効果があると語っていた。
今後の高官発言では、この重要問題についての具体論が市場には大きな影響を与えそうだ。
金市場も、これまでは、最後は「過剰流動性相場」に頼ってきたが、マネーの点滴を外される患者のごとき不安感に襲われる。
ときあたかも、日米とも売りの買い戻しが一巡したところで、ここからが金価格の真価を問われる段階に突入である。
さて、今日の写真は「悲劇」の一瞬。
鯛焼き評論家の私の一押しは札幌に本社がある「十勝あんこのサザエ」。
その出店が渋谷にあると聞きつけ、さっそく赴いたところ、なんと、なんと、お彼岸中は、オハギだけで、鯛焼きは中断中!
ガッカリして、未だ一部咲きの桜を見て回った次第(笑)
それにしても、こんな感じで、コロナ時代の私の生き方は変わったねぇ…。(笑)