ウクライナ情勢は、ポーランド国境付近爆撃や、生物化学兵器使用の可能性などエスカレート中にもかかわらず、週明け、国際金価格は1,970ドル台まで下落中。
 

 

kitco

今週はFOMCでいよいよ利上げが決まり、ドル金利(10年)も再び2%の大台に上がってきたことが、ジワリ効いている。
大阪では大相撲が始まったが、有事の金と利上げが土俵上でがっぷり四つに組み、押し合いの様相。
土俵の高さは2,000ドル近辺ゆえ、歴史的高値圏での大相撲。しかも、円安は117円にまで進行。
ウクライナ情勢に関しては、今日発売の東洋経済「ウクライナ特集」の巻頭インタビューで筆者が語っている。
その一部だが東洋経済オンラインに載っている。↓


https://toyokeizai.net/articles/-/537982

 

 

東洋経済の記事

それから、専門的だが、マクロのマーケットアナリストとしても別稿も↓


市場警戒の逆イールド、カウントダウン開始


NY市場関係者も最近は現地日曜深夜のアジア時間帯に注目せざるを得ない。
ウクライナ情勢が週末に急変して、週明けの日本市場寄り付き、NY株・債券の時間外取引動向が乱高下する事態が頻発しているからだ。
本日は、米国債市場の時間外(アジア時間朝)で10年債、7年債、5年債までが2.0%台で揃い踏み。3年債は1.95%台、2年債は1.79%台をつけている。
10年債と7年債利回りは2.0%台で既に逆転している。
市場が不況の前触れとして警戒する逆イールドのカウントダウン開始のごとき展開だ。
ドル長短金利差の代表的指標は、政策金利と連動性が強い2年債と、将来の景況感を映す10年債の格差(スプレッド)だ。
この数値は、先週来ほぼプラス0.2%余りにまで縮小している。
年初1月3日は0.85%、2月1日は0.63%、3月1日は0.41%(いずれもセントルイス連銀)と明らかに縮小が加速してきた。
今週のXデーは16日。


FOMCでの超緩和から引き締めへの歴史的転換発表と露ドル建て国債の支払い期限が重なる。
ウクライナ戦況も、週末、ポーランド国境付近が爆撃との情報が流れ、なお不穏な成り行きだ。
ロシア国債デフォルトともなれば、四面楚歌のプーチン大統領が、生物化学兵器使用をちらつかせることが懸念される。
市場の想定より厳しい戦況にエスカレート中にもかかわらず、FOMCは利上げを強行すると見られる。
そのタカ派姿勢を織り込み、米2年債利回りは粛々と上昇してきた。
但し、16日発表のドットチャートでは、中心値が年内6回予測から年内4回予測となり、続く再利上げはウクライナ情勢を見ての判断となる可能性が浮上してきた。
これは、ハイテク株には追い風となり得るので、米国株式市場も注目するところだ。
なお、ロシア国債デフォルトの影響として、市場内では「バタフライ効果」が議論されている。
複雑なシステムのなかで思わぬ玉突き効果が生じることを意味する。その兆しがニッケル騒動というわけだ。
クレジット・デフォルト・スワップの実態も不透明ゆえ、想定外の現象が起きるかもしれない。
システミックリスクまでは予測していないが、セクター別には揺れる可能性を残す。
原油市場では、ロシア産原油減少分を、窮余の一策で、ベネズエラやイランに求める動きが、米国内では政治問題化している。
ロシアの経済規模は韓国並みだが、その変動の影響は多岐に亘る。