今週のメイン・イベントである米CPIが発表され、ほぼ事前想定どおり、年率7.9%に。
織り込み済ゆえ、金価格に大きな動きなし。2000ドル前後を行ったり来たり。高い価格水準での往来相場になったものだ。
さて、米国では、物価が7.9%上昇なのに、依然、来週15,16日(3月FOMC)まではゼロ金利継続。ということは、現金持っていると、7%目減りするわけだ。金も金利を生まないから同様。金価格が7.9%上がってくれないと、目減りすることになる。金価格が160ドルほど上昇して、初めて、実質元本が維持できる。
しかし、今後は、ゼロ金利解除で、利上げが続き、3年後くらいには、2%~2.5%程度になる見込み。いっぽう、物価上昇(インフレ率)は徐々に収まり、年率2%から3%程度まで下がる、というのがFRBパウエル議長の見立てと思われる。その結果、現金や預金で保有しても価値が目減りすることはなくなる。これが、所謂、経済軟着陸(ソフトランディング)のシナリオ。もし、そうなれば、インフレヘッジとして金を保有する緊急性も薄まる。
いっぽう、FRBが利上げを続け、金利が4%近くになると、消費者物価上昇率も2%以下(日本並み)に下がるかもしれない。そうなれば、国債とか社債で安定した利回りを得るほうが良くなる。金利を生まない金は敬遠されよう。
対して、FRBがインフレを放置して、物価上昇が10%にでもなれば、財産の多くを金で保有するほうが断然有利になる。
このような状況で、筆者が(そして多くの市場関係者が)心配しているのは、FRBが利上げしてインフレを抑え込むまではいいが、利上げが効きすぎて、不況になってしまうリスクだ。これが所謂スタグフレーション。仮にそうなれば、金の独り勝ち。でも、個人的には、誰でも、経済にそうなって欲しくはない。ただ、そうなった場合に備え、今のうちから金を少しずつ買い増してゆくことが賢明な策になるのだ。
これは、米国の話だが、米国経済がクシャミすれば、日本経済は、風邪か、下手すれば、肺炎になるリスクがある。他人事ではない。長期的には、日本もインフレになる可能性がある。
さて、今日の写真は、夜の私の仕事場。木曜、金曜の夜になるとNY時間で、米国プロゴルフが生中継される。そこで松山が活躍したりすると、相場どころではなくなる(笑) 相場モニター画面とゴルフ中継画面の両睨み。
ところが、昨日から始まった今週の米国男子プロゴルフは、準メジャー級のトーナメントなのだが、松山選手がなんと、なんと、首肩痛め土壇場で欠場決定。数週間前から、フルスイングできないくらいの状態だったからね。でも、今年のマスターズも近づき、前年優勝者の松山選手は、出場して「チャンピオン・ディナー」のホスト役を務めねばならないしきたり。そのために鮨ディナーも準備中だ。名誉なことだし、ここは養生して、マスターズ(4月)に備えるのが賢明だろう。
なお、今週は、米女子ゴルフツアーもタイで開催されるので、昨日から日本時間昼の生中継で渋野選手画面と、これまた両にらみ。通常は、徹夜明けで昼寝の時間なのだが、ウクライナ情勢も日本時間昼に急変することが多いので、目が離せない。このブログ執筆中に、原発砲撃になったこともあった。今朝も、米国が北朝鮮、ミサイル開発に対して制裁措置発動とのニュースが飛び込んだ。
日本もいよいよ有事に巻き込まれることを覚悟せねば。