注目のパウエル議会公聴会発言。徹夜で最後まで視聴した。
「インフレの潮目の変化を、自信を持って宣言することは出来ない」
筆者の印象に最も強く残ったパウエル氏の言葉だ。
長時間にわたる議員たちとの質疑応答のなかで、思わず口をついた本音と見た。
同氏は、今回のインフレを「強い消費者需要とコロナ由来の生産流通制約の激突」とも表現した。
インフレを放置すれば不況と物価高の同時進行という米国経済ハードランディングのリスクがある。
この未知の新型複合インフレを、利上げとFRB資産圧縮の合わせ技で抑え込み、米国経済のソフトランディングに成功することは、火星着陸級の操縦技術を要する。
しかも、インフレが軟着陸したことを直ぐには自信を持って宣言できない。
金融政策の効果発揮にはタイムラグがある。
同氏は「金融政策は自動操縦ではない」とも語り、キャプテンとして海図なき航海に乗り出す決意を表明した。
市場は、ハラハラと見守る以外に術はない。シートベルトを低めに締め、着陸の衝撃に備えることになる。
しかも、ウクライナ方面から流れ弾のリスクもある。同氏は「(ロシア経済は)米国経済と距離がある」とも述べた。
(ウクライナ問題は)極めて不透明、とも認めている。
そのうえで、3月15~16日開催FOMCまでの2週間に、大きな変化がなければ、3月利上げに踏み切る、という姿勢である。
利上げ回数に関しては、FOMC声明文と同時に発表される最新FRB経済見通しの中に含まれるドットチャート(FOMC参加者の金利予測分布)を待つことになる。
パウエル議長といえど、そのチャートでは一つのドット(点)に過ぎない。
毎回、市場の雀たちは、どのドットがパウエル氏か、当て推量に興じたりするものだ。


なお、0.5%幅利上げについては、パウエル議長自らその可能性を認めたことで一つの選択肢として認知されたといえる。
総じて、今後の視界不良の状況に「機動的=nimble」に対応するため、パウエル議長は、ほぼあらゆる選択肢を温存した。
2日には、地区連銀総裁たちも独自に声を上げた。
シカゴ連銀エバンス総裁(ハト派)は、3月FOMCから3回連続利上げ後に、点検のうえで、更なる利上げも考える姿勢を語った。
6月までには地政学的環境も、今より視界が開けるであろう、とも述べている。
FRBのインフレ対応が遅れたことを語ってきたブラード・セントルイス連銀総裁(タカ派)も発言。
「FOMCの擁護をさせてもらえば、我々は眠っているわけではない」とやや皮肉めいた表現を使い、これまでの持論を述べた。
なお、今回の議会公聴会では、パウエル氏の肩書が「臨時議長」と明記され、議員たちからも、「臨時議長」と呼ばれていることが印象的であった。
議会側からの「議長職正式承認はこれから」とのメッセージと映った。


金市場の反応だが、事前に「3月利上げ見送り説」がNY市場に出回っていたので、条件つきとはいえ、3月利下げを明言したことは、金利を生まない金への逆風となった。
KITCOグラフ緑線で示されるように1,920ドル台まで下落。
昨日は上がってもこの程度かと書いたが、今日は下がってもこの程度か(笑)
徐々に値固め進行中となりそうだ。

さて、今日は10秒ほどの動画。

ニョッキの製造

マガーリのシェフ、たかさんが、黙々とニョッキ製造中。ジャガイモを裏漉し中。
あまりジャガイモを引かずにグルテン(粘り成分)を出さないのが彼の流儀なのだとか。
こういう過程を見ると、むしょうに食べたくなる、ニョッキ~~。
味付けのバリエーションも色々ありそうだな~。
マガーリも蔓延防止終了に備え、ビニールカーテンで仕切りいれたらしい。
最初は診察室みたいで違和感あったが、今や、どこでもこれだから、すっかり慣れた感。
そろそろ筍の季節も視野に入るから、ご無沙汰の京都の、らく山にも行きたいよ。
今年の冬は札幌の冬が旬の「タチ」(タラの白子)も食べず仕舞い。
あればかりは生の鮮度が勝負なので東京では無理。
とはいえ、あの大雪で、千歳空港に一晩仮眠の報道を見ると、足も鈍る。