まず、筆者自身が、いまはやりの「サプライチェーン破断」の要因になるとは思わなかったが、なってしまった。水商売みたいなもので、円建て金価格が急騰すると、仕事が一気にまとめて来る。同時にポスト・コロナ視野の新プロジェクトが3つほどあり、それも始動。キャパ超えの状態。このブログで、筆者の生存確認(笑)する担当者も少なくないので、これは業務連絡。鋭意努力中。
では、本論。


16日の米国市場は、「ロシア軍一部撤収を衛星画像では確認できず」とのNATO事務総長発言などで、ダウが一時は前日比300ドルを超す急落を演じた後、反発。特に、異例の注目を集めていた1月FOMC議事録には、警戒していた想定外のタカ派的表現が含まれず、市場は安堵。
プラス圏に浮上する局面もあった。終わってみれば、前日比54ドル安。


金はKITCO グラフの緑線が16日の値動き。14日の青線とほぼ同じ道を再び歩んでいる。キッカケは下記の米小売売上高サプライズ。想定外の上昇で、インフレ懸念が強まった。
相場の展開としては、プーチン大統領とパウエル「暫定」FRB議長が日中でも交代して先頭役となる「パシュート相場」の様相だ。「転倒」のような、まさかのテール・リスクによるちゃぶ台返しの可能性も捨てきれず、市場には緊張感が漲る。

kitoco

超金融緩和から引き締めへの歴史的転換点に置かれた株式市場だが、過剰流動性相場から流動性減少相場への転換に手間取っている。
株式市場では、強気相場が余りにも長く続き、本格的弱気相場など体験したこともないトレーダーやアナリストが少なくない。トレーディング部門に配属された時点でゼロ金利だったので、0.25%でも0.5%でも「利上げ」「プラス金利」といわれると、未知への不安感を強める市場参加者も少なくない。


16日には、1月米小売売上高が前月比プラス3.8%と、12月のマイナス1.9%に比し大幅に改善、という経済データ・サプライズもあった。
インフレ亢進にも関わらず、米国個人の消費意欲は衰えない。
ところが、心理的委縮感が強い市場では、年7回利上げや0.5%幅利上げも正当化する数字として警戒される。


そもそも、金融政策の軸足を雇用から価格安定に移したFRBは、景気鈍化リスクを覚悟のうえでインフレ過熱感を抑え込む姿勢だ。この強行突破論にはFOMC内でも慎重論がある。16日発表の1月FOMC議事録を読むと、最大雇用は実質的に達成したと見做されるので、インフレとの戦いに挑む決意が、悲壮感漂うほどに滲む。最近は、パウエル・プットがもはや効かない等、FRBが市場の敵役と見られていることを意識してか、市場とのコミュニケーションが重要との意見も記されている。しかし、この程度の記述では市場の不安感は解消されない。VIX(恐怖指数)の数値だけでは計れない質的な焦燥感が市場を支配している。
そのなかで、まさに金は安全資産、ヘッジ資産として買われているわけだ。
日本国内では円建て金価格の円安要因も効いている。


それにしても、日本女子のパシュートは惜しかったね~~あの、まさかの瞬間、日本列島は悲鳴に包まれたのでは。1年300日合宿したという3人が綺麗な隊列保ち、金メダル候補としてリードしていたが、最終周回で最終を走る3人目が、まさかの転倒。まさにテール(尻尾)・リスク発生。カナダに屈して銀メダル。でもね、あの高木菜那選手に心からエールを送りたい。あれだけの凄い体験したから、打たれ強いトレーダーになれるよ。日本女子チームには、プラチナ・メダル!あるいはパラジウム・メダル!!