まず、昨日もFRB高官発言が相次ぎ、市場変動要因となった。
ブラード・セントルイス連銀総裁は、3月、5月、6月と3回連続で利上げしたうえで、更に追加利上げするか否かを状況次第で考える、と発言。0.5%刻みの利上げは否定した。年5回利上げはと聞かれると「悪くないね」と思わせぶりの反応。今週末発表の雇用統計がオミクロンの影響で弱含みである点については「騙されてはいけない!経済は堅固で労働市場は強い」と語った。
次に、既にFTインタビューでで0.5%刻みの利上げを否定しなかったボスティック・アトランタ連銀総裁が、一転、それは、私の好む選択肢ではない、と消極的発言。まだまだ流動的だ。
更に、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が「年内4回利上げを支持するが、インフレが抑えられなければ、よりアグレシッブな動きも必要に」と、思わせぶりな発言。0.5%刻みについては「必要だと納得できることが条件だ。インフレがスパイク(急上昇)すれば、それも(0.5%)考えねばならないかも」と、これまた、複雑な表現。
QT開始時期に関しては、政策金利が1%から1.25%に上がったところでQT開始が適当、と発言。「QTは積極的に行うものではない」と慎重な姿勢も示した。QTに神経質な市場心理を考慮してのコメントと思われる。その市場は、様々な発言に当惑気味。
0.5%刻みは、まず無いと筆者は見る。利上げ回数は、まさに数か月後の状況次第だろう。

 

さて先週の暴落後、米国株価は急反騰しているが、10年もの米国債利回りは1.7―1.8%の水準で逆に下がる傾向さえ見られる。これは、株価の大波乱で、安全資産として米国債が買われて、利回り下押し要因となったからだ。新発米国債入札も好調であった。
金利が上がらないので、金価格の下げにも、歯止めがかかった。
風が吹けば、桶屋が儲かる、みたいな因果関係の連鎖だ。
政策金利に連動する2年債利回りは上昇しているので、結果的に長短金利差は縮小。イールドカーブは平坦化。これは、不景気の前兆とされ気味悪がられる現象だ。市場はリスクオフになりがち。
最後はドル実質金利次第である。

 

さて、いよいよ北京冬の五輪だね。
中国のゼロ・コロナ政策が行動制限強化により実体経済にも影響を与えるまでになっている。
習近平氏が、満面の笑顔で、わざわざバッハ会長の銅像までこれみよがしに作って迎えているのには思わず失笑した。よくやるよ、まったく(笑)
個人的にはスキーが趣味ゆえ、競技には非常に興味あるけどね。
あーースキーしたい!!昨年今年と二年間自粛しているので、かなり鬱積しているよ。
その分、ゴルフの練習時間は増えているけど、やっぱり、白銀の世界の解放感は、なにものにも代え難い。スキーで汗流したあとの、温泉と福神漬け大盛のカツカレーの醍醐味!カラダが健康的に疲れていると、カレーにソースまでかけかねない。東京でおとなしく働く状況では考えられない濃い味への傾斜だ(笑)デザートはセブンイレブンに寄って草大福かショートケーキか~


市中に有り余るカネを回収しようというQT(FRB資産圧縮)も、1兆ドル程度減らしたところで、まだ8兆ドルも過剰流動性は残る。まずはFRBが購入してきた住宅担保債券から減らしてゆくようだ。
だぶついたマネーの、株という最大の受け皿が不安になると、米国債、金、そして円などの安全資産に流入しているのが、今、市場で起こっていることだ。
このような地合いだと、FRBが、今後、どの程度、過剰流動性を回収するのか。量的な目途も金相場を見るうえで大事なポイントになろう。あまり急激に市中のマネーを回収すれば、それはそれで、信用収縮というショック現象が誘発されかねない。これは金が買われやすいシナリオだ。
市場とは勝手なもので、おカネがばら撒かれる分には「追加緩和」として熱烈歓迎するが、ひとたび、回収となると、少しの額でも神経質になるのだ。
こういう市場心理は実に読みにくい。
なお、日本では日銀が国債だけではなく株式ETFのかたちで巨額の日本株を購入している。他の先進国では禁じ手とされている劇薬だ。問題は、その出口。日銀黒田総裁が、そろそろ日銀保有の日本株も縮小せねば、などと示唆するだけで、日経平均は3000円以上暴落するは必至だ。それゆえ、大きすぎて手が付けられないのが実態である。このような日本特有のリスクに対する備えも必要なのだ。