昨日、本欄に書いた、「中東地政学リスクで原油高騰」の影響が金市場にも波及。(KITCOグラフ 緑線)
 

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19日のNY市場では、原油が連日の高値更新で87ドル。
原油高騰が今や主たるインフレ要因となるので、インフレヘッジとしての金が買われた。
ドルインデックスも95の大台でややドル安気味の展開。
ドル長期金利も1.8%の大台で一服。
そして株安も要因だ。
昨晩、例によって、NY市場をフォローしていたが、現地の朝方、ダウ・SP500・ナスダックとも前日比プラス圏で始まったが、昼にかけて、ジリジリ値を下げ、マイナス圏に落ちた。
そのタイミングで金の反騰が加速した。明らかに因果関係がある。
NY株、特にナスダックは、高値から10%下げ、弱気相場入りが宣言されている。
ハイテク銘柄が深刻な下げ模様だ。
加えてビットコインが弱気相場入りして冴えないことも、金には追い風。
但し、新規買いではなく、空売り筋の買い戻しが主体。
今後、新規買いが続くか否か。1,830ドル以上を維持できるかに注目。
銀・プラチナも急騰して、貴金属全面高。
プラチナに関しては、ヨハネスブルグ発の報道で、暴動・略奪が激化しているので、1,800人の警察官を治安維持のため動員。
ズマ前大統領が不正疑惑で収監されたことがキッカケで、ズマ支持派と反対派が路上で激突している。
生産を南アに依存するプラチナの上昇率が特に高い。
今や、ヨハネスブルグは危ない都市なので、出張社員たちも郊外の街のホテルに滞在して、市中には寄り付かない。
筆者も体験して知っているが、未だに、あの国は政治的不安が続いているようだ。
以前より悪化している。
南アの政情不安、原油市場の中東武装過激派の動きや、ウクライナ情勢の更なる緊迫、そしてカザフスタン国内不安など地政学的リスクも、ここまで重なると市場要因として、さすがに無視できない。
複数の地政学リスクが共振している状況だ。


金価格の次の上値抵抗線は1,850ドル。来週に迫ったFOMCに注目。
昨晩は、久しぶりにアドレナリンが出て、寝そびれ徹夜してしまった(笑)