イエメンの親イラン過激派フーシが、UAEにドローン攻撃を仕掛け、３人を殺害した。
更にUAE内のアブダビの石油施設の燃料輸送車を直撃。
場所はアブダビ国営原油会社の原油貯蔵・流通センター施設の近く。
アブダビ中心部から僅か２０キロ程度の至近距離にあった。
ペルシャ湾岸の国際的ビジネスのハブであるアブダビの心臓部をフーシは狙ったのだ。

そもそもUAEはサウジとイランと、それぞれに微妙な距離を置く国だ。
原油市場でも特異な存在にある。
そこを、イランと親イラン過激派はドローンで攻撃したわけだ。
危ない火遊びが、大火事を招くリスクがある。

その他、様々な理由で、原油価格は８５ドルと２０１４年以来の高値をつけた。
ゴールドマン・サックスは原油価格１２０ドルを予測する。
そうなるとインフレ加速は必至だ。

原油暴騰→インフレ亢進→金高のシナリオもちらつく。
原油高騰→インフレ亢進→株安のシナリオもある。

１８日NY市場でのドル金利急騰、米国株急落を受け、１９日の日経平均も７９０円急落した。
実にきな臭いマーケットだが、金は相変わらず１,８１０ドル台のレンジ内にある。
何が起こっても価格が大きく動かないので安全資産ともいえる。
膠着というとマイナスイメージだが、それは短期売買の投機家の話。
長期保有者には、他の資産価格が大きく振れているなかで、一定の価格水準を維持できることは、安心感がある。