オミクロン変異種の出現に対して、当初は極めて警戒的であったが、今やNY市場は楽観に転じた。
株価も、急落後、急反騰を演じている。
その間、米国内のコロナ感染は僅か1週間で70%がオミクロンに置き換わった。
国内の行動制限も厳しくなっている。
しかし、市場は、症状が相対的に軽微で、入院者数、重症者数、死者数は低位に留まる傾向を根拠に、デルタ型に比し、経済的にはなんとか切り抜けられると見ている。


とはいえ、まだデータ数も限定的ゆえ、予断は許さない。
筆者は、市場の楽観をリスクと見ている。
重篤な症例が相対的に少ないが、感染力は極めて強く、感染者数は激増中だ。
まずは、医療従事者の感染による医療逼迫が危惧される。
症状が軽い患者たちも、隔離を強いられ、労働者不足は更に厳しくなろう。
サプライチェーンの混乱も、ピークを過ぎたと思われた直後に、オミクロンが拡大したことで、再び悪化しそうだ。
しかも、米国経済の場合には、FRBが緩和縮小に転じ、財政出動も民主党の内紛で縮小されそうだ。
そのタイミングでオミクロンが拡大している。
パウエルFRB議長も、オミクロン感染拡大で、供給網混乱、人手不足が悪化して、供給サイドからのインフレ傾向が更に強まるので、利上げを強行しそうだ。
オミクロン下の利上げは景況感悪化を招きやすいので、その場合は、金は買われやすいと見ている。
それでも2,000ドル突破とはならず、1,900ドル程度と見る。
いっぽう、パウエルFRBが、この混乱期を適切な金融政策運営で乗り切れば、マクロ経済は暑すぎず冷たすぎず、適温状態のゴルディロックスを迎え、ヘッジ役としての金の出番は減るだろう。
その場合は金価格が1,700ドル割れ程度に下がると見る。


いずれにしても、金が歴史的高値圏に留まる状況に変わりはない。
中長期的な視点では、コロナによる死者数をどの程度まで容認するか。
オミクロン程度であれば、パンデミックではなく、季節的な伝染病と位置付け、ロックダウンはせず、経済的ダメージを最小限に抑える、というシナリオもある。
コロナウイルスが絶滅することは考えられず、どのようなかたちで、人類はコロナに対応してゆくのか、議論されることになろう。


さて、日本でも京都で市中感染事例が発表された。
筆者も、冬の第6波を想定して、京都などで食べ歩いてきたが、そろそろ我慢の時期に逆戻りとなりそう。
写真は、北近江は長浜の鴨鍋。

 

鴨鍋

古い料理旅館の「千茂登」。セリやネギもシャキシャキで甘味もあり旨い。
12月の鴨はまだ若い。1月くらいがベストかな。
2月になると、脂のり過ぎの感もある。
そして、らく山の明石のアナゴの昆布巻き。
3日かけて作るので、昆布はトロトロの食感。

 

明石のアナゴの昆布巻き