ウクライナを巡り、米ロ関係が緊張している。
米国側によれば、ロシアのウクライナ国境近くに17万の兵が集結しているという。
ロシアにとって、ウクライナは黒海を通じて地中海に出る南下政策ルートにあり、地政学的に要衝の地である。
2014年には、ウクライナ東部に侵攻して、クリミア半島を占領。
ウクライナ東部も実質的に支配下に収めた。
そのときは国際金価格が30ドルほど上昇して「有事の金買い」と言われたが、案の定、長続きはしなかった。
今回も昨日のNY金市場では、一部の投機筋が、ウクライナ問題を買いの口実として使っていた。
マーケット目線では、ロシア産欧州向け天然ガスのパイプラインがウクライナ国内を通過していることが重要視される。
ウクライナはパイプラインの「管理料」収入が貴重な財源になっている。
ところが、ロシアからドイツに直接、天然ガスを輸送するために、ウクライナを通さず、バルト海経由の直接パイプライン「ノルドストリーム2」が建設中だ。
当然、ウクライナは強い不満をいだく。
現状で、ウクライナ経由の天然ガス輸送が遮断されれば、欧州の天然ガス価格に大きな影響を与えることになる。
事実、今年の天然ガス価格は乱高下して、欧州ではエネルギー価格高騰が大きな問題となっている。
このような市場環境ゆえ、今回も金価格に与える影響は軽微で、エネルギー価格変動のほうに市場の注目は集まっている。
緊急のバイデン・プーチンのリモート形式会談も行われたが、両者とも譲れるはずもない。
台湾問題同様に、一触即発の危うい危機だが、両国とも現時点で戦闘状態・或いは経済制裁の段階にエスカレートすることは絶対に避けたいのが本音だ。
強い語調の相互非難合戦が続くが、結局、プロレスごっこになろう。
とはいえ、冬に入る時期ゆえ、天然ガス供給をロシアに依存する欧州諸国にしてみれば、気を揉む展開である。
さて、今日の写真は昨日からの続きで、京都・祇園の「らく山」。
まずは、大根の炊いたん。
旬の冬の甘味が詰まった大根を、大将が絶妙の火加減で「炊いて」くれる。
シンプルな一品だが、基礎的な料理にこそプロの実力が出るもの。
そして、北陸のカニをふんだんに載せた茶碗蒸し。
最初に供されるので、外気で冷えたカラダに心地よい。
3種盛りの左にある昆布巻きも、尋常ではない。
なんと3日かけて作る。
口に入れるととろける。
通常のおせちになる昆布巻きと一緒にされたくない、という感じ。
右にあるのが鴨。冬初頭ゆえ、まだ若い鴨で、肉の色が綺麗だ。
テーブルに出すタイミングが難しく、2時間後には色が変わってしまうほど繊細。
久しぶりの「らく山」を堪能したよ。
冬の第六波が来なければ、来月また来て、ここの、お雑煮、かぶら蒸し、そして、更に寒くなると更に育つ海老芋と大根を食したい。
同じ食材でも、シーズン中に「育つ」のだよね。
夏に札幌サテライトオフィスに長期滞在したとき、旬のウニが特に香るピークの1週間があったのを思い出す。