恒大デフォルト懸念は、依然、くすぶっています。
金市場への影響については二面性があります。
まず、国際市場では、ドル建て恒大債券のデフォルトが生じても、リーマン級の連鎖破綻は起きないと見ています。
それゆえ、金は信用収縮がジワリ拡大するなかで、安全資産としてジワリ買い圧力が強まると見ます。これが一面。
もう一面は、中国国内市場での影響。
ここでは、習近平政権は、国内の過剰流動性が不動産市場から他の市場へ転移することを非常に警戒しています。
金市場なども、さしずめ、その受け皿の一つとして見なされる可能性があります。
そうなると、中国個人投資家の金投資に対して規制を強化するかもしれません。
金関連企業への締め付け強化も考えられます。
かくして、恒大リスクは、金に対してプラスとマイナスの影響が同居するのです。
なお、恒大リスクが、万が一、リーマン級となれば、マージンコールに必要とされる現金を捻出のため、換金売りの対象にされるでしょう。
その場合は1,500ドル台まで瞬間的に下がり、直ぐに、1,700ドル台に瞬間的に戻すような、いわゆるフラッシュクラッシュ現象が見られるかもしれません。
恒大問題は長期化必至ゆえ、金市場としても年内無視できない問題となるでしょう。