金市場は1,700ドル台半ばで行ったり来たりの展開だが、株価は連日大きく動いている。
そして今回の日本株政変ラリーだが、結局日経平均3万円台を維持できず、前半も後半も外国人投機家主導の展開になった。
まさに本欄9月9日付「外国人投機家、「総裁決定で日本株売り」の思惑も」に書いたシナリオが現実になった。
あの時点では、日本株を手掛ける外国人投機筋が、しきりに自民党総裁選挙日9月29日を確認してくるので、いわゆる「噂で買ってニュースで売る」という常套手段が透けていた。
それにしても、彼らでさえ、このような「原始的」ともいえる短期売買手法が日本株には未だに通用することには驚いているのではないか。
筆者がスイス銀行チューリッヒのトレーディングルームで最初に叩き込まれた常套手段なのだから古典的といえる。
短期売買は基本的にゼロサムゲームだ。
誰かが勝てば、誰かが負ける。
今回も、結局、日本勢が指をくわえるなかで、外国勢が「おいしい部分」をさらっていってしまった。
株式売買統計が発表され、海外投資家の買いが1兆円を超えたと報道される頃には、彼らは既に売り手仕舞いの出口模索の段階にあった。
海外大手年金基金など良質のマネーは、首相が突然退陣を表明したものの、次期首相が未定の段階では、傍観の姿勢に徹していた。
彼らは単なる「変化の期待感」だけでは動かないし、動けない。
それにしても、日本の株式市場は、いつになったら、「外国人投資家という黒船襲来」の呪縛から脱却できるのだろうか。
「貯蓄から投資へ」金融リテラシー向上の必要性が語られて久しい。
株式投資最前線ともいえるネットセミナーでも、参加者の多くは、日本株ETFのレバレッジ型を使い逆張りか順張りかの二択という「投機」形態だ。
質疑応答でも、「会社情報」をじっくり読み込んで銘柄選択するというオーソドックスな発想が薄く感じられる。
日本人の機関投資家も、相変わらず「赤信号、皆で渡れば怖くない」という心理が強く働く。
個別セッションに講師役で招かれるときでも、最初の質問は「よそさんは、どうなんでしょうか」。
多数派が株を買って、仮に値下がりしたとしても、「しょうがない」と免責される。
悪夢は「我が社だけ、乗り遅れた」あるいは「当社はフライングしてしまった」というケースである。
そこで、筆者の役割は「専門家に意見を聞き、いつでも動けるように、鋭意準備中であった」と社内ファイルに会議記録として残しておくという「アリバイ作り」にあるのかとも勘ぐってしまう。
さて、岸田政権にはいきなり株安の洗礼。
経済政策が成長重視より配分重視とされるところがマーケットは気になるようだ。
どっちにせよ、躍動感のある政策は出てこないと筆者は冷ややかに見ているのだが。
対中経済政策も、日本は、なんとか「損を最小限に留める」経済外交的戦略が必要だ。
岸田政権の先が読めないからこそ、資産運用も金も含めて全天候型ポートフォリオを組むことが益々重要になろう。
特に現段階では株への依存度が高すぎると感じている。
さて、今年の札幌サテライトオフィスでは、コロナ禍で、オフィス内のイートインで旨いモノ食べ放題だったよ。
まず、稚内のウニと大間のマグロ。漁連などで仕入れ、東京と比し半額で鮮度は高い。
そして、ウニ・シリーズは利尻から余市まで。
ウニ評論家になった感じ(笑)