驚きました。
偶然とはいえ、ブログに恒大デフォルトなら瞬間的1,500ドルもと書いた8時間後に、金価格は1,790ドルから最安値では1,740ドル台まで暴落したのです。
昨日日本時間午後6時くらいに異変は起きました。1,780割れ。
そして午後9時には1,760ドル台。中国経済指標悪化、エバーグランデ(恒大)懸念などがNY金トレーダーたちからは指摘されていました。
そして、午後9時半に米国小売り統計好転が発表され、更に、1,740ドル台。

 

kitcoグラフ

米8月小売り売上高もサプライズでした。
デルタ懸念で消費者は委縮して前月比マイナス0.7%が事前予測されていましたが、蓋を開けてみれば、なんとプラスで0.7%増。
最近、経済指標の派手な予想外れが目立ちますが、これは、そのなかでも最大級ですね。
デルタ懸念で外出控え、自宅で通販爆買いしてうっぷん晴らし、という感じでしょうか。
市場視点では、これで、テーパリング(量的緩和縮小)が早まるのではないか、との反応。
金には逆風です。
更に、経済好転を背景に米10年金利も1.3%台で上昇。外為市場ではドル高進行。これも金には売り材料。
こうしてみると、一気に金売り材料が集中した日でした。
とはいえ、さすがに1,740ドル台では現物の押し目買いが下値を支えています。
相場の形は良くありません。当面、脆弱な傾向。
ここにエバーグランデ関連で何か新たな展開でもあれば、1,700とか。


なお、デフォルトで安全資産の金がなぜ売られるの、との素朴な疑問。
中長期的には安全資産として買われるキッカケになります。
但し、リーマンショックのときもそうでしたが、直後は、とにかく現金が必要、ということで、換金売りの波に晒されるのです。
金はいつでも売れて現金化できるのでATMなどと言われます。流れは暴落後暴騰のV字型展開になります。
一般個人投資家がついてゆける世界ではありませんから、せめて、心の準備だけは、と昨日も書いたわけです。
まぁ、冷静に、そういうシナリオもある、程度に考えておいてください。


さて、来週はいよいよ9月FOMC。小売り統計サプライズで俄かにざわついてきました。
それから、金より投機的な銀の下げは金の倍きついです。