異常気象で相次ぐ歴史的豪雨、そして大規模水害。
家ごと流され、家庭用金庫に保管してあった金地金まで泥流とともに消えてしまった、という事例を聞きました。
実は、東北大震災のときも、所有の金地金が津波に流されたという話を現地で聞きました。
漁師さんは何時水難に遭うかも分からないリスクに晒されているので、一家の大黒柱に万一のことが起きたときに備え「家庭内有事の金」を保有することが珍しくないそうです。
特に豊漁時に、金を買う傾向があるとか。不漁時に備えたリスク分散ですね。
さて、一般論として、金の現物を購入した場合に、悩ましい問題は、保管です。
従来は、「たんす預金」感覚で、自宅保有が目立ちました。
しかし、災害で家ごと失う事例などが影響して、近年は、信頼できる業者に預ける傾向が強まっています。
リーマンショック後には、預けた業者が破綻したら、どうなる、と警戒する声も聞かれました。
このリスクに対しては、顧客からの預かり金は分別して保管するなどの厳重な特別措置が採られています。
世界的な視点では、各国政府が保管する外貨準備としての金塊を、ロンドンやニューヨーク連銀の金庫に保管する傾向があります。
日本の公的保有金の一部も海外保管されていると見られます。
ドイツは、そもそも旧ソ連の侵入に備え、公的金準備を増強してきたので、イギリス、フランス、米国に分散保管していることを明らかにしています。
金ETFの場合には、信託銀行が現物金塊を管理するので、一般業者の保管サービスより安心感があるようです。