五輪後、暗いニュースが続くなかで、実に爽快な瞬間でした。
相場モニター画面をAbemaTV(アベマティーヴィー)のメジャーリーグ中継に切り換えて、仕事そっちのけで見てました(笑)凄い記録ですね。
仮に、大谷選手が明日から今シーズン欠場しても、MVP(最優秀選手)に値するでしょう。
40号打った直後の「確信歩き」が、なんともカッコいい。
中継の米国人コメンテーターも、「メジャーリーグの歴史に残る瞬間だ」と興奮していました。
投手として8月月間最優秀選手賞の可能性も。
さて、現実に戻ります(笑)
昨晩は、7月FOMCの議事要旨が発表されました。
そこで、FOMC参加者の殆ど(most という単語で表現されています)が、年内テーパリング(量的緩和縮小)が妥当と「実質合意」していたことが確認されたのです。
物価上昇率も雇用統計も基本的には「経済回復」と見なすに相当する、との判断です。
但し、デルタ株猛威の経済悪影響や、労働参加率の低迷(感染不安で就職しない人たちが多い問題)は残ります。
それでも、「量的緩和縮小」ということは、「量的緩和を継続するが、これまでの毎月1,200億ドル(約13兆)の国債・資産担保証券の買い取り量を徐々に減らしてゆく」ということです。
まだ緩和政策継続であることには変わりありません。
それでも、マネーじゃぶじゃぶ状態に慣れてしまい、困ったときのパウエル頼みの如き依存症の症状も顕著なので、市場は不安視してきたわけです。
次の段階が、「利上げ」。これは明確に金融緩和から金融引き締めへの政策大転換となります。
これが、これからの問題となるでしょう。2022年か2023年か。
さすがに金融引き締め決定となれば、その瞬間に金利を生まない金の価格は下がるでしょうね。まだ先の話ですが。
テーパリング実質合意程度では、既に織り込み済み。
あとは、毎月、どの程度、債券購入額を減らしてゆくのか。
それを何か月続けるのか。この具体的数字が注目されます。次回の9月FOMCで議論され決定されるでしょう。
それまでの期間には、FOMC参加者の講演・発言などが市場では注目されるでしょう。
なお、これからは、利上げが材料視されると書きましたが、足元では、テーパリングで米10年国債利回り(ドル長期金利)が1.2-1.3%水準から再上昇するのか、或いは、逆に下げ続けるのか。
これが、「謎」とされ、市場も身構えています。理屈では、量的緩和による米国債購入量を減らせば、金利は上がるはずなのですが、教科書通りには市場が動きません。
FRBが購入を減らしても、外貨準備や年金運用の世界では、安全資産として米国債は根強い人気があるのです。
ゼロ金利の時代ゆえ、低水準とはいえ、年率1.3%貰えれば御の字ということですね。
彼らの運用は巨額なので、断トツの規模を持つ米国債市場に対抗できる規模の市場は無いのですよ。
彼らは金も買っていますが、米国債市場の規模に比べれば金市場は小さいですから、あくまでヘッジ目的の脇役という位置づけです。
最後に、これは看過できない、という問題。
ペルーなど南米で猛威をふるい、死亡率も高い変異種ラムダ株感染者が、五輪関係者の一人に検疫で確認されていたのに、厚労省は、同じ機内の濃厚接触者リストを含め、関係自治体と五輪組織委員会などに一切連絡していなかった。
ここまでくると、あきれてモノが言えません。
せっかく、爽快な話題で始まったのに、今日も結局暗い話で終わってしまいましたが…。