世界的にインド型の猛威が止まらない。
米国でも、ワクチン接種で高まった開放感が、一転委縮している。
思い起こせば、エンゼルスの大谷選手が、ホームランダービーに出場したときと、翌日の米オールスターゲームの球場は、マスク無しの観客で溢れかえっていた。
その光景に違和感を覚えたのは、筆者だけではなかったであろう。
やはり、事態は、それほど甘くはなかった、ということだ。
そして、日本もいよいよ感染爆発。医療崩壊。
感染者数のグラフを毎日、報道で見ているが、マーケット人間の感覚だと、急騰・急落が波状的に繰り返される形で実に分かりやすい。
筆者は、医療関係の知見は特に持ち合わせていないが、単なる相場観としては、東京の一日感染者数が2週間後に1万人の大台に達したところでピークとなり、その後、急落という逆V字型を想定している。
断っておくが、あくまで、医療的根拠のない、テクニカル分析に過ぎない。
英国とイスラエルで逆V字型になっていることを参考にしているだけだ。
感染者数の市場への影響だが、8月という季節性で流動性は薄く、ただ、茫然として見守っている、という感じだ。
米株価は史上最高値圏にあるが、9月にならないと、本当の動きは分からない。
欧米でロックダウン再開とでもなれば、さすがにリスクオフになろう。
しかし、経済的ダメージが大きすぎるので各国とも極力回避の方向だ。
日本では、ロックダウンは出来ないが、今より強い措置が採られることになろう。
市場の注目は政局だ。
株式市場では「青木率」という指標が注目されている。
内閣支持率と与党第一党の政党支持率を足した指数で、これが50を切るとその政権は危ないとされる。最新の時事通信の調査では、50が視野に入るようだ。
筆者は、五輪が終われば、材料出尽くしで、日本株は買い直されると読んでいたが、感染拡大と政権不安で、これは甘い見方となってきた感がある。
政局といえば、米国もトランプ氏再登板の幻想に身構えている。
バイデン大統領と近い存在であったクオモNY知事のセクハラ疑惑・辞任が、トランプ陣営には追い風となってきた。
2022年米国中間選挙に向け、思わぬ政治要因が相場を動かす局面もあるかもしれない。
現段階では全く読めないが、金市場としても、今後、要経過観察の材料である。