1兆ドル規模のインフラ投資案につき米国上院で民主党と共和党が大筋合意した。
古くなった道路・橋などの補修・再構築は、米国経済にとって喫緊の課題であり、両党も歩み寄った。
但し、財源は、あやふやである。
共和党が増税は断固拒否しているから、コロナ対策予算の残高の一部を流用するなど、なんとも心もとない。
とはいえ、インフラが再整備されれば、米国経済の生産性は高まるから、財政赤字といっても、「生産的な良い赤字」の類に入るであろう。
問題は、次に控える3.5兆ドルの「貧困・気候変動対策」予算案だ。民主党は、この案に共和党の合意を得るのは不可能と判断して、「財政調整法」という「強行採決」の道を選択するもようだ。
それゆえ紛糾必至。更に、財源となると、全く視界不良だ。
結局、米国債増発は不可避。現在は1.3%程度の低水準で推移しているが、いずれ利回り上昇も不可避と思われる。
これは、財政赤字を懸念した「悪い金利上昇」となる。
年内に、この財政赤字問題が、市場を揺らすとは思わない。財政要因はジワリ効いてくるので時間がかかる。
2022年に市場要因として顕在化してくるであろう。
来年は米国中間選挙の年でもある。選挙対策として派手なばら撒き案が出やすい環境となる。
なお、米国特有の財政赤字に上限を課す法案も、9―10月には「財政の崖」として問題視されよう。
最悪、一部政府機関閉鎖の事態など考えられるが、米国債債務不履行(デフォルト)とはならない。
ここは、メディアの派手な見出しに踊らされず、冷静に見るべきだ。
この財政問題は、金価格の下値を中期的に支える要因。
対して、テーパリングなど金融政策由来の要因は、金価格の頭を短期的に抑える要因となる。
ここは弁別して考える必要がある。
さて、スポーツ紙を見ていたら、金色の見出しで「金相場、5,000万円」。
なんだと思えば、金メダリストにはCM契約で5,000万円の値がつくとの話であった(笑)
個人的には、空手の型が、かっこ良かったな。
金メダルの男子はもちろん、それ以上に、銀メダルの女子選手は、凛としてもっとカッコよかったよ。