香港のデモが過激化してきました。
そもそも香港で拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」に対する反対デモ。
昨日は、55万人参加のデモが混乱なく進行した後、夜になって、過激派が香港の議会に乱入して占拠するという事態に発展したのです。
香港の中国返還22年記念の日でした。
一般市民のなかには、さすがに、この過激行動までは付き合えないという人たちも増えています。
とはいえ、そもそも1国2制度には必ず限界があることが問題の根本でしょう。
全体主義国家で一部を自治区として特別扱いする制度が長続きするはずがありません。
香港市民の反乱に対して、いずれ習近平政権は断固とした対応をせざるを得ないでしょう。
中国本土の国民が、納得しません。香港の市民は全体主義国家に支配されることは絶対受け入れられないでしょう。
当面、過激派と一般市民の分断を図ると思われます。
そのうえで、習近平政権は、香港も強権政治の対象にするでしょう。
そのとき、香港は大混乱に陥る可能性があります。
香港といえば、アジア国際金融の一大都市。
金の有力市場でもあり、中国本土への金現物サプライチェーンが香港経由で構築されています。
それが分断されると中国本土への金現物供給が滞るかもしれません。
既に、投資マネーの一部は香港離れに動いています。
香港市民が香港を見切る事例も急増中です。
今回の香港デモ過激化はG20直後に勃発したことも決して偶然ではありません。
そもそもG20の場で習近平が香港問題で糾弾されることを期待していたのです。
しかし、G20では議題になりませんでした。
中国側の広範囲にわたる根回しがあったようです。
今後、香港情勢から目が離せません。
さて、NY金価格はグラフを見ても明らかなように、G20後に急落したままです。
これまで価格上昇がスピード違反でしたから、当然の調整局面でしょう。