金メダル有力視されていた日本人選手が銀メダルに終わると「皆さんの期待に応えることが出来ず、申し訳ありません」と語り、記者会見で号泣したりする。なぜか。
NYタイムズ紙が、日本人の特性として記事で扱っている。
大坂なおみ選手でさえ、日本語の声明文で、期待に応えられず、残念だ、と述べた。
対して、米国人選手なら、負けても、自分がどれだけ強いかを主張するだろう、とも書いている。
更に、日本では、企業幹部が不祥事について謝罪して深々と頭を下げる光景も異様に映る。
これは、日米の文化的違いとしかいいようがない。


筆者は、同僚の多くが欧米人という職場環境で育ったので、自らの失敗を認めるようでは、ライバルたちに、つけこまれるだけ、という感覚を持っていた。
ところが、日本の企業文化では、「謝ることを知らない奴」という評価になる。
家庭内でも、「お父さんは、間違えても、謝らない」と厳しく糾弾されたものだ(笑)
投資の世界では、基本的に損しても、自己責任だ。
詐欺的行為があったにせよ、プロなら、「甘い」と言われ、「騙されるほうが悪い」如き扱いを受ける。


とはいえ、リーマンショックを境に、欧米大手金融機関の内部ではリスク管理が厳格化され、ディーラーの個人プレーは許されない。
アービトラージ(裁定取引)をチームプレーで実行することが基本になっている。
コンプライアンス(規定順守)が重要視され、CEOもCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)には頭が上がらない、という状況が珍しくない。
話はオリンピックに戻るが、筆者が奇異に感じるのは、欧米選手たちがポイントゲットするたびにハグする傾向だ。
特にコロナ禍なのに、男性選手たちが、いちいち抱き合って喜びを表現している。


実は、筆者も、未だに苦手なことが、欧米流の儀礼的なハグや軽いキスを自然な振る舞いとすることだ(苦笑)。
一般的に、これをカッコよくこなせる日本人は少ない。
どうも、ぎこちない。
いっぽう、ゴルフで一番ホールでティーショット打つ前に、筆者は、ペコリとお辞儀して、「お願いしまーす」とお辞儀することを叩きこまれた。
これが、外国人の友人たちには、時に奇異に映り、或いは、日本人らしいマナーと感心されることもある。
その挙句に、いきなり、ティーショットでチョロを打ったりすると、これは、まさに「恥」そのものだ(笑)