FOMCでの緩和縮小に慎重な姿勢に反応して、米債券市場では1年債利回りは依然低位の1.2%台、外為市場ではドルインデックスが92台から91台へ若干ドル安。
結果的に金は1,830ドル。(KITCOグラフ緑線)。
FOMC後の金安を見込んだ投機筋の空売りの買い戻しが主体。
ここから新規買いが入るか。市場では、8月ジャクソンホールが視野に入る。
緩和縮小に関しては、年末から来年初めの時期に開始されよう。但し、毎月少量から、じっくり時間をかけて。
量的緩和縮小の次に控えるのが利上げだが、これは早くて2022年。
ここは、ずばり、インド株変異種次第だね。パウエルさんもお手上げで読めないことを認めざるを得ない。
そして中期的には、想定通り、米財政政策が材料視され始めた。
バイデン政権が、これだけ派手にばら撒きやって、共和党は財源としての増税には大反対。
結局、ばら撒きっぱなし、という所謂「インフレ政策」により、公的借金の実質価値を減じるほか、あるまい。
但し、この財政赤字要因は、影響が浸透するのに時間がかかる。2022年米国中間選挙にかけて問題化しそうだ。
筆者は年内にも米財政赤字が材料視されると読んでいたが、市場が財政規律の緩みに慣れてしまっている。
更に、政府の資金調達コストもゼロ金利政策ゆえ、安く済む。借金が金利負担で雪だるま式に増えるという構図ではない。
但し、借金は消えないから、どこかで臨界点を迎えることになる。
ゆえに、筆者は中長期的に金に依然強気。但し、短期的な予測を聞かれれば弱気に傾いている。
FOMCに関しては、重要な点は、金融緩和から金融引き締めに時間をかけて移行してゆく、ということ。
ゼロ金利からプラス金利になるが、せいぜい2%程度か。低金利状態に変わりはない。
米国の物価上昇が瞬間風速で5%超えとなると、明らかに、資産価値は目減りしてしまう。
マネーサプライ(おカネの供給量)も徐々に減らしてゆくが、とんでもない量をばら撒いたので、マネー残高は依然歴史的高水準が続く。
ドル・円・ユーロは刷れるが、金は刷れない、という点が依然重要だ。
さて、日本の感染数も一日1万人超え。
五輪ゴールドメダルラッシュの宴が終わると、現実に戻ることになる。覚悟せねばなるまい。
話は変わるが、最近、どうにも気になるのが、なんでも「させていただく」の乱発。
政治家から若者まで、年代を問わず。入学試験に敬語・謙譲語の問題を増やしたほうがいいじゃないの?
「メダルの感動で泣かせていただきました」
「~と思わさせていただきます(語尾上げ)~みたいな(これまた語尾上げ)…」
「ええ加減にせんかい」とテレビの前で憤っている。
否、憤らさせていただきました~~~!