金 1,750ドル台まで続落
雇用統計発表前に虚を突く投機筋の売りで国際金価格は1,750―60台まで水準を下げた。
昨日NY市場午前中に、エアポケットに入った如く、ストンと1,750ドル台まで急落(KITCOグラフ緑線)。
その急落前後に、重要な経済統計が二つ出た。
一つは、消費者信頼感指数(民間コンファレンス・ボード)が発表され127というコロナ危機勃発以来最高水準。
更に、ケース・シラー全米住宅価格指数が全米20都市で前年同月比15.7%上昇。
これは統計開始以来最高の伸び率。
米国経済再開、絶好調を示す経済統計に、利上げ観測は益々強まる。
インフレは一時的ではない、パウエル議長の判断は間違っているとの論調には追い風。金には逆風。
しかし鳥の目で俯瞰すれば、2022年以降インフレの可能性が高まる。
なお、昨日述べたデルタ株脅威も昨日のNY市場で顕在化。金市場では、コロナ禍の最貧国救済のためのIMF金売却の可能性が取り沙汰された。
しかし、これは投機筋の売りの口実っぽい。
まぁ、歴史的に見れば、IMFが2010年前後に403トンの金売却に踏み切ったときは、そのうち200トンが(市場への影響を抑えるため)場外取引でインドに売却されたことがある。
そのインドがデルタ株発祥の地、という展開なのだが、後講釈に聞こえる。
魚の目で市場の中期的底流を見れば、当面、下値模索の1,700ドル台が続きそう。
安値圏は中国インド中東の実需と、安値拾いのETF購入が増え、底値圏を支える構図に変わりはない。
先物市場は短期的な売り一色だ。
それにしても、日本の変異種対策=水際対策は「甘い」の一言だね。
インド周辺国の五輪関係者に現地出国前の一定期間、PCR検査必要と言う程度で、基本的に「性善説」に立つ。
良識的に要請は順守されるという「甘い」期待。しかし現地は「性悪説」。規則は破られるためにあるようなもの。
しかも、日本政府は、入国規制強化の「方向で検討へ」。いつもながら、アクションが遅い。
「ゼロ・トレランス(許容度)」=違反は一件たりも許さず、と何故言えないのか。
「ゼロ・トレランス」を明言するオーストラリアでさえ、インド株は侵入している。もどかしい。
日本人にとって、一服の清涼剤は連日の大谷ホームラン@NYヤンキースタジアムだね。現地メディアも大々的に報道。
と書くうちに、今朝も27号28号連続を叩きこんだ。
右翼が狭い球場ゆえ、軽くライトフライ程度がホームランになっている。
大谷選手、全力で振る必要がない。
バットの芯を外しても、ホームランになる球場。