雇用統計「世紀の予測外し」、金続騰、1,830ドル台
7日金曜日、注目の雇用統計が発表された。
結果は、「世紀の予測外し」と言われるほどのサプライズであった。
新規雇用者数が事前予測では100万人近くのところ、実際には26万人増と大きく下振れ。
間髪入れず、バイデン大統領は「釈明記者会見」を行い、「経済回復は短距離競争ではなくマラソン」と語った。
市場の反応は、雇用不安と言うことに反応して、ドル金利は下落(のちやや反発)、ドル相場はドル安。金が買われる環境になったのだ。
この26万人という数字の解釈を巡っては意見が割れている。
多くのエコノミストは、予測を外したせいか、この数字はノイズ(例外的)だと指摘する。基本的に経済雇用回復トレンドは変わっていない。
それは筆者も同意だ。
但し、気になることがある。
雇用者数が増えない理由である。
実態を見るに、失業保険増額や個人給付金が勤労意欲を削ぐ傾向が顕著になってきたからだ。
平たく言えば、失業者でいたほうが、収入が多い事例が少なくないのだ。
その結果、労働者不足が生じ、賃金コストが上昇してきた。
「雇用なきインフレ」とでもいえようか。
これは、バイデンの大型財政政策に一石を投じた感がある。
イエレン財務長官も説明に苦労している様子だ。
パウエルFRB議長は、雇用が明確に好転せねば、超金融緩和は継続すると明言している。
金価格には追い風となろう。