野村巨額損失、アウエイで苦戦する日系企業に逆風

さて、いよいよGW!といっても、全く盛り上がらず。金価格も今日(日本時間明朝)のFOMC控え、静かな展開。パラジウムだけが、小さな市場に投機筋が集って暴れているだけ。ビットコインと全く同じ現象で、まともに構ってられない。好きにして、という感じ。


ニュースで笑えたのが「紀州のドンファン」。世事に疎いので、全く知らなかったが、家族には、「えーー知らないの?」と驚かれた。案の定というか、純金製の置物とか、続々出ているのが、職業上の興味を引いた。それにしてもNHKニュースまで、ワイドショー的な見出しで、笑えた。今日の写真は、毎年GWに咲く花が、今年はGW前に終わりそうという身近な風景。気候変動だね。

花
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さて、以下は今日の本論。

 

27日の野村記者会見はウオール街でも注目された。アルケゴス関連で、モルガン・スタンレー、クレディ・スイスと相次いで決算発表の場でアルケゴス関連の説明があり、残る大手は野村という展開になっていたからだ。
ます損失額が想定を上回ったことは「想定内」の反応だ。
驚きはその理由について、北村CFOが「3月29日から31日にかけて(アルケゴスが投資していた銘柄の株価が)下落したため」と説明したことだ。


米系大手2社が大量売却を決行したのが26日のこと。アルケゴス関連主要銘柄のバイアコムCBS株の増資主幹事にもなっていたモルガン・スタンレーが増資募集締め切りを待って「出遅れた」が、それでも週末28日にブロックディール(大型相対取引)で売り逃げている。
対して、野村の売却は31日まで続いていたことになる。期末ギリギリまで決断に時間を要した組織の内部事情が透ける。


更に、アルケゴス関連の取引は4月23日時点で97%以上の処理が完了したとの説明に、不安をいだく現地企業CEOたちもいる。アルケゴス発覚直後から、たまたま株価が下落した企業には、「アルケゴス関連銘柄か」との疑惑の目が向けられているからだ。それに対して、当該CEOたちも、自社の主要株主の名前が分からないケースがある。トータル・リターン・スワップが利用されていると、買い本尊の名前が表に出ることはないからだ。残り3%とはいえ、個別企業にすれば、かなりの金額になる。


人事も話題になっている。米持ち株会社のCEOに米JPモルガンで経営幹部を務め、現地の金融事情に通じるクリストファー・ウイルコックス氏を起用。かねてCEOを務めてきた赤塚庸氏との共同代表とするとの発表である。
異例の国際畑出身の奥田現CEO体制で、更に国際化路線が強化されていたはずだが、それでも「現地の金融事情に通じる」助っ人人事か、との声があがる。敢えて共同代表というツートップ体制に変えたことで、日本人CEO更迭は回避されメンツは保たれた。しかし、これは筆者も体験してきたことだが、共同代表を据えると、社内の組織図のレポーティング・ラインが実戦・点線入り乱れ、あみだくじの如き様相になる。社内の決断も益々遅れがちになる。これでは、現地雇用で優れた人材からは敬遠されがちになろう。


欧米の報道姿勢も気になる。かねて日本人は英語も不得手で国際ビジネスには苦戦との「風評」が流れていたので、「案の定」との報道が目立つ。たしかに、筆者がコロナ前に、定期的にニューヨークに出張すると、決まって招かれるのが日本料理店であった。そこは、日本人駐在員、バンカー、商社マンたちが、和やかに集い、現地の苦労話や情報交換の場である。「2-3年の辛抱」とひたすら耐える悲壮な決意も聞かれた。そもそも華僑、印僑は多いが、和僑は少ない。
そのなかで、最も善戦と見られてきた企業の巨額損失事件に対して、現地の目は冷ややかである。