バイデン氏は株高を素直に歓迎するか
24日、議会上院銀行委員会でイエレン財務長官とパウエルFRB議長の議会証言の最中に、バイデン大統領は、コロラド州で22日発生した、大型スーパーでの銃撃事件に関して発言。10人死亡の事態を重く受け止め「(銃規制は)超党派の問題」と強調した。経済テレビ局も議会中継を中断してバイデン演説に切り換えた。
そこで市場の話題になったのが、バイデン大統領とウオール街の距離感だ。
人命最重視は当然であるが、2日前の銃撃事件に関する所感を敢えて議会証言の時間帯にぶつけてきた感覚が市場には気になるのだ。
その背景には、ウオール街のエリートより中間層を重視する姿勢が指摘される。
トランプ前大統領が株価を政権の通信簿として重視したので、対比が鮮明に映るのだ。金融規制もトランプ氏の緩和姿勢からバイデン氏の規制強化へと潮目が明確に変わっている。
そこで、バイデン氏は、株高を素直に歓迎するのか、ということが話題になるのだ。
ESG投資への関心は強そうだが、金利急騰による株価急落などの事例に興味を示すとも思えない。
2日目の議会証言では、民主党急進左派のエリザベス・ウオーレン上院議員が、資産価格バブルリスクへの対応について持ち時間5分をかなりオーバーして食い下がっていた。
39%前後とされる株式売買益への課税案も富裕層限定とはいえ、可能性として市場では懸念される。
金投資も規制対象として標的にされるかもしれない。
いっぽう、ウオール街が安堵する面もある。
財務長官の立ち位置が大きく変わったことだ。ムニューシン前財務長官は、あくまでトランプ大統領への忠誠を意識して行動・発言した。対して、バイデン大統領は、イエレン氏という経済のプロの裁量を認め任せる傾向が既に目立つ。FRB議長に対しても、バイデン氏は、トランプ氏のように露骨な政治介入することはあるまい。
ウオール街からの政治献金もバイデン大統領は特に拒否もせず受領してきた。
今年後半に、一時的にせよ経済が過熱して消費者物価上昇率が急上昇するような局面が起きたとき、「庶民派」バイデン氏の本音も明らかになろう。
さて、福島が第二の故郷の筆者には気になる宮城県での感染者100人突破。近隣の山形県にも波及している。先日の東北地震で多くの関係者が東京から仙台に出張したこと。3月にGO TO イートのキャンペーンで飲食を奨励したこと。そして変異ウイルスの影響が指摘される。これは、仙台に限ったことではなく、今後、日本のどこでも起こり得る変異ウイルス活性化の事例といえる。濃厚接触者の行動追跡調査に協力せず感染経路が不明確な事例が多いので、市中の感染拡大の実態に関して予断を許さない。地方では、特に、自らの行動履歴など語れば、すぐに人物が特定され、村八分状態になりやすいからね。
福島県で、聖火リレーが始まったけど、全く盛り上がらず。
相場サイクル感覚で見ると、次のリバウンドの波が来ると、5月GW後から五輪直前までの期間にピークになりそう。