トランプ大統領は、大阪G20でいよいよ習近平国家主席とトップ会談の展開を語りNY株は素直に買いで反応した。
ドラギECB総裁の緩和発言も歓迎され、FOMC結果発表前ながら市場は見切り発車に動いたといえる。
特にドラギ氏が「更に経済が悪化すれば」ではなく「今の状況が改善せねば」動くと示唆したことで緩和切迫感が強くなった。
いっぽう、トランプ氏のFRB批判はエスカレートしている。
18日には、市場に流れるパウエルFRB議長解任報道について「まずは(FOMCで利下げ決定するか)お手並み拝見」と語った。
米国経済が減速すれば、米中貿易摩擦の影響よりFRBの責任を問う構えだ。
更に批判の矛先はドラギECB総裁に向けられ、緩和発言を「ユーロ安誘導」と批判した。
「次の標的はミスタークロダか」
NY市場では、早速、日銀追加緩和の可能性を探る動きが出始めた。
日銀が動けば、円安誘導批判のトランプ・ツイートが飛び出しかねない情勢だ。
とはいえ日銀の追加緩和余地は極めて限定的だ。
マイナス金利深掘りの副作用はNY市場でも理解されており、「イールド・カーブ・コントロールを多少いじる程度がせいぜい」などと議論されている。
MMTの議論が日本では注目されていると話を向けると、そのカードは「一発レッド」で通貨安誘導との答えが返ってきた。
日銀としてもここは正念場だ。
主要中銀緩和競争に出遅れれば、ドル安・ユーロ安・円高加速は必至だ。
いっぽう、追加緩和に動けば、為替条項をちらつかされ、これまた、円高要因となりかねないリスクをはらむ。
短期的には、7月利下げを織り込んだ市場が、「噂で円を買い、FOMCで決定のニュースで利益確定売り」に走るシナリオが考えられる。
しかし、中期的には円高バイアスが強く残る。
日銀政策決定会合の黒田発言一つで円相場が大きく動く地合いだ。
特に日本語発言が英訳されると、意図的な翻訳が見出しとして世界に流れ、市場で独り歩きするケースもある。
日銀とヘッジファンドの神経戦が展開されそうだ。
そしてNY金価格は、株と同じく、利下げ先取りの見切り発車で、1,340-50ドルのレンジに上昇中。
日本時間今夜というか明日早朝のFOMC声明文とFRB最新経済見通し(含むドットチャート)発表と、パウエル議長記者会見で、金融政策大転換(利上げから利下げへ)が確認される(はず)。
勘所は、声明文から「忍耐強く待って決める」という表現が削除されるか、前回の記者会見でパウエル議長が連発した、低インフレ状態が「一過性」という単語が削除されるか。
削除されれば、いよいよ利下げGO!のサインとなる。今夜は徹夜覚悟~~!
そして、今日の写真は、好物のキウイ。花と、実になりそうなベビー果実。