銀買い攻勢、米個人連合がヘッジファンドに屈す
銀は、やはり急反落。(価格グラフで赤字が1日、緑色が2日)。
シルバーを甘くみた個人連合が今回は負け。
理由は昨日本欄に詳述した通り。
シルバーでの失敗をキッカケに株式市場でもレディット銘柄が一斉に売られた。
株式市場は不安要因後退で安堵。ダウ500ドル超急伸。
金は1840ドル台に反落。
今週は、レディット交流サイトと銀に振り回されている。
これでやっと一段落だが、レディット個人連合は、「素人集団でも結束すればプロにも勝てる」術を覚えたから、リベンジ必至。
市場サイドも敵視・警戒するのではなく共存を目指すべき。株でも金でも取り込めれば、市場の厚みが増す。新規参入組は今後も一定の存在感を持つ、マーケット内の「野党」みたいな感じになりそう。
さて、今回のレディット騒動には、ソフトバンクが模範とされていた、という話。
2020年9月、ソフトバンクが推定40億ドル相当の米ハイテク株オプションを購入と一斉に報道された。NY市場には、はるかに高い価格(ストライク・プライス)で期日も迫ったコールオプション(オプション・プレミアムは安い)の短期売買との観測が流れた。
その当時、既に、レディットのフォーラム「ウオールストリート・ベット」では、ソフトバンクのこのオプション戦略が話題になり、書き込みが増えていた。「ソフトバンクが40億ドルのハイテク企業株コールオプションを買った」との投稿が確認できる。
ウオールストリートに集まる投資家の戦略は、コールオプションを買い上げ、売り手がヘッジとして同一の株式を買わざるを得なくなるようにするのが狙いと、一部の外電でも報じられていた。
「マサはウオールストリート・ベットではトレーダーだ」とか、「マサ」を称賛する書き込みも見られた。孫氏が、模範とされた痕跡がある。
その後、NY市場では、株オプション売買高の急増が話題になり、価格が大きく動くと、ソフトバンクのオプション・ポジション解消ではないか、との憶測が絶えなかった。
その喧噪に埋もれ、目立たなかったが、ウオールストリート・ベッツの「小鬼たち」は、黙々と新規参入の機会を窺っていたのだ。
なお、筆者が残念に思うことは、本来、投資家の損失を一定に抑えるという投資家保護の発想で開発されたオプションが、今や、低資金でレバレッジ効かせる投機のツール化したことだ。今回のレディット関連の報道でもオプションが悪者扱いされる風潮が目立つ。しかし、株式市場では価格下落に備えプット・オプションが買われるなどリスク回避のヘッジ目的でもオプションは使われる。あらためてオプションの原点に戻り、その存在意義を考えるときであろう。
さて、次のレディット軍団の標的だけど、円相場は狙われやすい。日本の外為集団にはミセス・ワタナベ軍団がいるから、日米個人集団「共闘」となるか。ちなみにミセス・ワタナベとは、日本人主婦がスマホ片手に、子供の面倒みながら、ドルだユーロだ、ポンドだと外為投機的売買するイメージからミセス・ワタナベと外国メディアが表現した。今や、外為市場内では、ドル円相場に影響与える勢力としてその存在が認知されている。個人的には、レバレッジかけて個人が為替投機するのは賛成できない。プロの体験として、リスクが大きすぎるからだ。ツワモノならいざしらず、普通の主婦がゲーム感覚というのは、危うい。手数料稼ぎの業者が喜ぶだけだ。私自身、長期投資派ゆえ外貨建て資産はドル預金という地味な手段に限定している。皆から、エーーツとか言われるけどね。プロの資産運用って、実は、地味なものだよ。リスクの怖さをイヤッというほど体験してきているから。だからこそ、金も積立。これもエーーッ、プロだから裏技使い放題と思ったと言われるけど。そんな魔法の杖あったら、苦労しないよ。