バイデン相場始動、金価格見方割れる

今朝の日経朝刊マーケット面に「バイデン相場始動、市場、株高・ドル高の見方。株は米個人消費が支え。為替は日米金利差が拡大。原油は財政出動に期待感」との記事が載っている。記事の最後に「金相場への影響では見方が分かれる」として「財政の大盤振る舞いが「財政悪化懸念や通貨安を招き金を押し上げる(マーケット・アナリスト豊島逸夫氏)との見方もある。一方で「将来の金融緩和縮小が意識され金利は上昇し、金は下落基調に転じる」(上野剛志氏、ニッセイ基礎研究所上席エコノミスト)といった逆の見方もある。」との内容だ。
私の金価格2021年展望は日経1月9日朝刊に掲載されたインタビュー記事を本欄でも紹介した。
最近、自粛で退屈気味なので、意見が割れると、ここは、紙上対談でも載せてくれないかな、と思ってしまう(笑)以前、GFMSが来日して強気論をぶったとき、私は弱気論を述べていたので、日経が紙上対談として、対決させたことがあるけど。(結果は、その年は金が下がり、私の勝ち(笑))
さて、今年の金弱気論は、コロナ後に経済が好転して、金融緩和も縮小すれば、金利も上がるから、金利を生まない金には逆風、ということだと想像する。金融緩和縮小論に関しては、1月9日インタビューでもリスクはテーパー・タントラム(量的緩和縮小ショックのこと)、と語った。但し、これは、株も金も全て換金売りされるという一過性の売りを想定しての発言だ。重要なのは、コロナ後に景気が回復して名目金利が上昇しても、インフレ期待が上がれば、実質金利はマイナス状態が続くということだ。経済が活性化すればインフレ期待或いはインフレ懸念は強まると私は考える。それゆえ、名目金利が上がっても実質金利は上がらないということだ。更に、金利上昇も例えば、ドル長期金利が現在の0.9%程度から心理的節目(臨界点と私は呼ぶ)1.5%程度まで急騰すると、米国債増発を懸念した国債見切り売り(=長期金利上昇)という所謂「悪い金利上昇」に飛び火するシナリオも考えられる。リーマンショック時の金急騰は、米国債格下げから火が付いた。
まぁ、マーケット全体をカバーする記事で、金の部分は少なく、字数も少ないので、反対論にもいろいろ議論はあると思う。だからこそ、ここは、じっくり語り合ってみたいと思うのだが、市場の注目が金よりビットコインの派手な動きに行ってるから、無理かな~

さて、東京五輪中止記事が、NYタイムズに続き、ロンドン・タイムズにも出て、話題に。
いっぽう今日の日経は、無観客でも強行との報道だ。
私は、前から述べているように、早く中止決定したほうが、経済的ダメージを最低限に抑えられると強く思う。
今のコロナ状態で夏に開催ということが、どうしてもイメージできない。欧米はそもそも選手団送れないのでは。
個人的には「しぶこ」のプレーを五輪会場の霞が関カンツリー俱楽部で見たいけどね。
五輪中止による経済的損失は5兆円とか、間接的な部分も入れれば20兆円超えとか言われ、日本株は暴落するかもしれない。
それでも、おかしな変異種を持ち込まれるとか、ウイルス水際対策に完全は無いし。

今の首相に決断力は期待できないから、最もありうるシナリオはギリギリまで引っ張って、結局「厳しい情勢に鑑み断腸の思いで決断した」とかの首相声明でアウトということかな。大混乱必至だけど。