変異リスク、東京五輪に暗雲

感染度の高い変異ウイルスは、「気がついたときは、もう遅い」。
内外の感染症専門家から聞かれるコメントだ。
その変異リスクに、東京オリンピック開催が揺れている。
これまでは、東京五輪は「どのような形にせよ」開催が強行されるとの見方が主流であった。しかし、感染力の高い変異ウイルスの拡散は、来年、ヒトとモノの流れが制限される期間が長期化するリスクをはらむ。
このまま開催されれば、「日本が断トツで金メダル獲得第一位」あるいは実質的な「日中スポーツ大会」になりかねない。
この時期に、全外国人の入国拒否という事態の出現はリスク・シナリオにも全く想定されていなかった。
筆者は、この新たな要因の出現で、マクロ経済のコロナ禍からの回復は、2023年以降にずれこむ可能性が「更に」高まったと見ている。
これまでV字型、U字型、W字型、L字型、K字型と様々な回復軌道が議論されてきたが、2021年に関する限り、筆者は日本語のひらがなで「し」の字型を想定している。願わくば、2022年には、カタカナの「レ」の字型まで回復を望む。とはいえ、2021年は「縮小均衡点」を模索する動きとなろう。非接触型経済への移行には時間を要する。労働の移動性など日本経済のダイナミズムが問われる。
なお、ウイルス・リスクとして、今後は、「副作用」と「接種拒否」の潜在リスクも要経過観察だ。
これまでの2021年金価格予測には「変異ウイルス」の影響は全く織り込まれていなかった。
要注意点は、仮に、ウイルス接種期待が剥落すると、更なる財政・金融追加支援策が必要になることだ。
積極的な量的緩和拡充、追加財政支援。市中にばら撒かれるマネーは更に増える。通貨価値の希薄は加速する。

それにしても、日本の水際対策は甘い。筆者が、「スイス・ドイツが南ア便停止。南アに変異種確認。東ケープ地区が発源地」と@jefftoshimaでツイートしてから72時間以上経って、日本政府も入国禁止措置に動いた。この72時間の差は大きい。72時間前の日本メディアは「サクラ・ガーデン・パーティー」関連報道がトップニュースになっていた。国際感覚とのズレを痛感した。そして、既に、変異ウイルスは、すり抜けて日本国内でも実例が出始めた。国際線機長が検疫はフリーパスということも初耳だった。
そして筆者がよく乗る大江戸線も運転士15人クラスターで運行本数3割減。
それやこれやで、スキー行きは、自粛にした。残念無念!なにせ、私の生き甲斐みたいなものだからね~~
さて、土曜日の「日経プラス10サタデー」出演写真。2021年経済マーケット展望。
円相場予測は基本的に2021年膠着。「円ではなくドルが安全通貨
」の時代ゆえ、極端な円高は想定せず。日米金利差も急激に大きく開く要素が見当たらない。日本市場では相変わらず「円安全通貨神話」が見られるが、ドル円を実質的に動かすNY市場では、「ドルがキング」。この温度差を指摘した。
いきなり冒頭のウイルス拡散の話題に時間かかり、押して、残り時間が予定より大幅に少なくなり、マーケット関連の話は時間切れに。生番組では慣れていること。「最後10秒残しでお願いします」とCM時間中に言われ、制限時間内になんとか話しを纏める術だけは習得した感じ(笑)
これはコロナ前に、関西(大阪)まで出張して朝日放送、エンタメ系報道番組に頻繁に出演していた頃、鍛えられたな。

テレビ出演する豊島氏
テレビ出演する豊島氏