金、1860ドル台まで回復、その背景は
国際金スポット価格が1860ドル台まで反騰してきた。
今回の背景は、コロナ感染深刻化に尽きる。
カリフォルニア州などで地域的ロックダウン。特に効いたのが、ホワイトハウスのコロナ対策チーム記者会見で一番バッターとして現状報告するバークス調整官(女性)が、NBCの最長寿報道番組で「コロナは米国にとって最悪の危機」と語ったこと。お茶の間でファウチ氏の次に「コロナ対策の顔」と認知されている専門家だけに影響は大きかった。感謝祭連休そしてクリスマス休暇と、米国は人の移動が多くなる季節で、日本と異なり、自粛しない人が非常に多い。感染者も死亡者も桁違いだ。トランプ大統領がジョージア州上院決選投票控え、現地で大規模集会に参加したが、相変わらず、皆、マスクしていない。
病院ひっ迫も酷い。
(日本でも、この問題は深刻。余談だが、私が言いたいのは、飲食店への休業補償に加えて、看護師さんなど医療関係者たちへの支援金も用意しろ、ということ。先が見えない日々で感染リスクに晒され疲れ切っているうえに、賞与カットとか酷すぎる。篤志家の寄付だけでなく、制度的にキッチリ金銭的報酬を支払うべきだと考える。余談終わり)
このような状況で、米国では政治空白が生じており、財政支援がなかなか妥結しない。そこで、FRB金融政策の重要度が増して、追加緩和として量的緩和拡充の確率が高まってきたことが、金買いの背景にある。FRBに残された追加緩和手段は限られており、量的緩和拡充は切り札ゆえ、小出しとなろう。まず、長期債購入割合を増やす所謂ツイスト・オペ。次に、期間を長く設定する。最後に国債購入量を増やす。おそらく次回のFOMCでは議題となり、これは金買い要因となろう。そこまで徐々に織り込んで金価格反発となっている。
次回の雇用統計は、現在進行中のコロナ深刻化を映し、かなり悪化しよう。そこでパウエルFRB議長が、手をこまねいているだけでは許されまい。既に前回FOMC議事録にも量的緩和の件は検討中と示唆されているところだ。
なお、ワクチン接種の件で問題化しているのは、接種拒否者が調査によっては40%以上占めること。やはり長期的副作用警戒。ワクチン国民接種への道も厳しい。私は問題なく接種受けるけどね。
それから昨日言及した国防長官人事だけど、予想通り、初の黒人国防長官オースチン氏となりそう。これも凄い変化。
さて、死んじゃった猫の埋葬を済ませて、心の中にポッカリ穴あいた感覚。通夜は近くのローソンで買ったスイーツ食べながら、しんみり。ペットは家族の一員だからね。各方面から励ましメールいただき、あらためて、ブログ読者層の裾野拡大を体感。(機関投資家セミナー参加者の方までも)。ありがとうございました。