金のリサイクル増加
金が歴史的高値圏にある今年は、金の「売り戻し」「リサイクル」が急増するとセミナーでも語ってきましたが、昨日の日経商品面で「金リサイクル31%増、世界7-9月期、高値圏で個人が売却、相場の上値抑制も」と題して、良くまとまった記事が載っていました。
リサイクルは二次的供給源と言われますが、一次的供給源の鉱山生産量が頭打ちゆえ、今後は二次的供給源の動向が重要になります。
過去のデータを検証しても、金価格が1000-1200ドルまで下げた後は、リサイクル量が急減して年間1200トン程度。逆に1500ドルなど高値に急騰した後は、1700トン前後に急増。この500トンの差は大きいですよ。日々の相場では目立たず、材料視されませんが、ジワリ需給要因として効きます。足元でも金価格軟調の最大要因かと思っています。昨日の記事は7-9月期でしたが、10-12月期には更に急増しているでしょう。個人の売りは価格が下がり始めたときに、ドサッと出る傾向があるからです。心理として、急騰しているときは、どこまで上がるか期待して見守り、ピークつけたかどうか、というタイミングで売り始めるものです。なお、今年前半はロックダウンでサプライチェーンも破断され、金を売るにも売れない状況でした。それゆえ、2020年通年では、未だ増えていないと予測します。
もっぱら中国・インド・中東(ドバイ市場)がリサイクル中継基地になっており、先進国でも金買い取りのインフラが構築されたことも重要です。
リサイクルの変動要因は価格効果と所得効果があります。
高値に誘われた売りが価格効果、懐が寂しくなると金を売って凌ぐというのが所得効果です。
現在は、金市場が2000ドル突破ではしゃぎ過ぎた後の「二日酔い」状態にあるので、熱気が冷め、売りが出やすい時期です。
とはいえ、安値圏では出遅れ組の買い、売って儲けた人の再参入(買い直し)も待っています。
短期価格形成は株価やドルの影響を強く受けますが、中長期的には需給要因がボディーブローの如く効くことに留意しましょう。
さて、日本もコロナ感染が深刻になってきました。私も仕事の上では欧米の状況を見ているので、日本の感染者数はけた違いに少ないと感じますが、一個人に戻ると、やっぱり気持ち悪いですよね~寒くなり山手線内でも咳き込む人が増えて、用心してしまいます。逆に、私が埃でクシャミするときも気を使いますね。忘年会自粛とか言ってますが、当たり前でしょう。こんな時期に夜の繁華街を徘徊する気持ちが分かりません。私の趣味の「旨いもの探し」も当面中断ですよ。さいわい、配偶者が料理の達人なので、内食でも十分ですが(笑)