ワクチン開発が市場のメイン・テーマ

昨日からモデルナ社開発中のコロナワクチンの途中経過が良好との情報が流れ、株には上昇要因、金には頭打ち要因となっています。
その内容は、治験参加者45人に好ましい免疫反応が誘発され、副作用も、重篤な症状は見られず、痛み、だるさ、頭痛、悪寒が一部に見られた程度とのこと。
米国感染症第一人者ファウチ氏もお墨付きを与えました。(市場はファウチ氏の言うことは信用します。これがトランプ大統領が恨めしく感じているところなのですが)
ファウチ氏によれば「グッド・ニュースだ。少人数のデータではあるが、明確で非常に良い」「更に大規模な研究が年末までに、この結果を確認することが可能だ。そこで良い結果が出れば、コロナ抑制への第一歩となろう」
モデルナ社は次回、今月末から、米国内90か所に住まう3万人を対象に検査を拡大します。その場所は、テキサス、フロリダ、カリフォルニア、アリゾナの感染急拡大中のホットスポット州に集中する予定です。10月には結果が出ます。
モデルナ社によれば、年間5億から10億の投与を目指す計画です。
モデルナ社の事例は、米国政府支援補助のワクチン開発計画のひとつです。その他にも、オックスフォード大学、ジョンソン&ジョンソン社、ファイザー社などが名前を連ねています。成功例が出れば、年内にも緊急投与の可能性もあります。いずれにせよ、一社だけで全人類を救うことは不可能です。
専門家によれば、まだ効果について未知の部分が多いのですが、徐々に前進している状況と言えそうです。
市場も首を長くして待っていますが、年内は、一喜一憂、紆余曲折の展開を覚悟するべきでしょう。
なお、昨日書いた米中関係悪化について、トランプ大統領は中国の大手銀行を世界のドル建て決済システムから除外するように、同盟国に働きかけるという動きに出ました。これは劇薬ですね。仮にこれを実行すると中国の大手銀行に信用不安が生じて、世界的な金融経済ショックに発展するリスクがあるからです。今後、要注意。要経過観察。