昨日のNY市場は、コロナ治療薬として有望視されているレムデシビル(ギリアド社)の臨床試験が良好との報道と、FOMCが主要変動要因でした。
まずレムデシビルは先週、中国での臨床結果が失敗との報道で相場が大きく動きました。
ところが、昨日は、「投与したところ回復が31%速い。死亡率も2%ほど低い」との結果が発表され一転好材料となりました。
今やアメリカのヒーローとさえ言われるファウチ国立アレルギー感染研究センター長も、「これはゆける」とお墨付きを出しました。
FDA(米国食品医薬薬品局)も、最速で緊急認可に動く姿勢です。
但し、医療専門家からは、まだ初期段階との意見が多く、株式市場が好材料を求めるあまりの先走りの様相もうかがえます。
NY市場は今週、経済再開に動く州が増えて、期待感が高まっているところに、このニュースが飛び込んだので、流れのなかでは効果的な材料になったわけです。
ダウは500超急騰。金は下落しましたが、依然1,700ドル攻防。


そしてFOMC。
こちらは既に未曽有の超金融緩和政策の豊富なメニューが発表されていましたので、昨日は、その再確認。
市場の視点では、織り込み済みで特にサプライズはありませんでした。
実際のところ、この未曽有の有事対応超緩和パッケージについては、まだ殆ど実行されていません。
それでも、マーケットはその効果を先取りしています。
パウエルFRB議長の発言だけで、市場は十分なのです。FRBが語っただけで、これだけ市場が動くのですから、結局のところ「困ったときのFRB頼み」という依存症から抜けきれないのですね。
今回もFRBは市場の期待を裏切るどころか、予想以上の政策総動員で市場をアッと言わせました。これは基本的に金には強い追い風。年内は米国も再びゼロ金利ということですから。
さて、国際金スポット価格は1,700ドル台という警戒水域に入ったあとは、さすがに入ったり来たりですね。今の市場はリスクに事欠きませんから、次の大きな新材料登場待ちという情勢です。
それにしても、日本のコロナ対策は周回遅れで、経済再開を語るには、まだ遠い。
いかに自粛を貫くか、との段階ですね。
魔法の杖はありませんから、ひたすら我慢の時です。
私も珍しくしおらしく(笑)自粛しつつ、ネットで新たなプロジェクトの準備に入っています。