中国全人代延期の衝撃


全人代といえば、中国の国会です。
全国から3,000人の地区代表者たちが毎年3月5日に集結する中国の最大級イベントです。
このような重要日程が延期を余儀なくされました。
習近平政権、正念場、という危機感がヒシヒシ伝わってきます。
さすがの強権政治もウイルスまでは支配できなかった、ということですね。
財政金融政策総動員で支える姿勢を露わにしています。
上海株は新型肺炎勃発前の水準まで回復していますが、ここでは、オールチャイナの国家隊による必至の買い支えです。
財政出動も小粒で、大型インフラなどは、労働者も動けず、サプライチェーン=モノの流れが分断されている状況では限界があります。
金融政策は、中小企業向け融資促進が謳われますが、マネー供給を増やすことの副作用はインフレ。
既に、豚肉・野菜などが価格急騰で物価上昇率は5%を超えています。
物価は上がっても経済が減速する、いわゆるスタグフレーションのリスクが顕在化しています。
今日は、アップルが、新型肺炎の影響で販売目標未達と発表され、マーケット心理が悪化しました。
今日は連休明けのNY市場も再開されます。


トランプ政権がファーウェイへの規制(米国製部品禁輸措置)を強化する姿勢を明らかにしたことも、悪材料になっています。
NY金も1,585ドルまで上がってきました。1,600ドル目前。
但し、この壁が厚い。


なお、専門的になりますが、今の金高はユーロキャリーで支えられていると見ています。
ユーロの対ドルレートは年初の1.20台から1.08まで一貫して下げ。そこでユーロを借りて金を買い、上がったところで金を売り、ユーロを返済する。
ユーロを借りるのでマイナス金利で儲かり、金でも儲かり、二重のお得感。
欧州の金ETF残高が増えていることは、ヘッジファンドによるユーロキャリーによる金買いを映す現象と言えます。
このユーロキャリーのリスクはユーロ高。
ユーロを返済するときにユーロ高になっていると、為替差損が生じるからです。
市場では投機的なユーロ売りポジションが膨れ上がっているので、いずれ巻き戻しのユーロ買戻しの波は不可避でしょう。
ユーロキャリーはプロ向けトークですが、一般投資家向けには、今朝の朝日新聞全国版に金について寄稿しています。

https://www.asahi.com/and_M/20200217/9908483/