マーケットの注目は英国選挙より、圧倒的に米中貿易交渉だ。
閣僚級で「第一段階」が「原則的」に合意。トランプ大統領の署名待ちとされる。
部分合意内容は、中国の米農産物購入を具体的に明記。
年400-500億ドル程度とされるが、中国側は数量明記に抵抗感を示す。
更に、四半期ごとに購入実績を検証。
未達許容範囲は10%とされる。
米国側は既に発動されている追加関税3,600億ドル分を50%引き下げ、12月15日発動予定の1,600億ドル分追加関税を凍結する。
知的財産権保護、中国市場開放についても、なんらかの言及が入れ込まれる。
以上の合意事項に違えることあれば、追加関税についての状況を現状に戻す。
これはスナップバック(snapback)と呼ばれる新たな条項だ。
「ちゃぶ台返し」の可能性を示唆しており、この条項がある限り、市場心理改善も限定的になろう。
12日のNY市場は、米中貿易関連のトランプツイートや外電報道に一喜一憂して乱高下を演じた。
トランプ大統領が米中貿易交渉にも大統領選挙にも有効な「関税」という武器を手離すはずもなく、依然、株価の主導権を掌握している状況は変わらない。
従って、金の下げも限定的だ。足元で1,460ドル台で推移している。