1530ドル台まで戻していたNY金が一気に1500ドル台まで急落した。トランプ大統領が「米中協議は、皆が思っているより早くまとまる」と語ったことがキッカケで、リスクオフ・モードが緩んだ。米国住宅関連経済指標も良い数字が出て、ドル高気味。株は下落。そのような市場環境で、金は売られた。
1500ドルの分水嶺が試されている。
金急落の背景には世界的実需急減も見逃せない。
外貨準備としての公的金購入と金ETF残高は増えているのだが、1500ドル近くでは、ドバイ・ムンバイ・上海の「実需」は消えている。高値圏ではリサイクル・売戻しも急増して相場のアタマを叩く。
需給はじゃぶじゃぶ。先物主導の買い。
既視感のある市場風景だ。
金高騰の地盤は現価格水準では脆弱という事実を見せつけるかのごとき一日であった。
長期的上昇傾向にいささかの変化もないが、短期的には、もっと調整売りが入らないと、後の反落がきつくなり、ボラティリティーが増すだけだ。走り高跳びと同じで、助走距離が長いほど高く飛べる。オスプレーのごとくいきなり飛ぶことは難しい。
年内は既に高値を見た。来年は再上昇の年。2020年に備える相場といえようか。