市場が最も注目する利下げの有無を決める7月FOMC(7月30,31日)が迫り、FOMC参加者が公的発言を一切控える「ブラックアウト=自粛期間」に入った。
パウエル議長は、金融政策運営を「暗闇を手探りで歩く状況」に例えたことがあるが、市場は、まさにFOMC終了まで暗闇入りしたわけだ。
しかも、その直前にNY連銀ウィリアムズ総裁の問題発言を巡り、市場が混乱した。
まず、中央銀行リサーチ協会での講演で、「異変あれば直ちにワクチン投与すべき」と、これまでにない強い語調で利下げを示唆した。
FOMC参加者の中でもNY連銀総裁は常任投票権を持つ「別格」ゆえ、0.5%利下げ確率が一気に70%にまで高まった。
(本欄7月19日付「NY連銀総裁のお薦め、経済に効くワクチンとは」にて詳説)。
この市場の反応に驚いたNY連銀は、その後、ウィリアムズ問題発言について「あくまでアカデミックな見解でFOMCとは無関係」と修正して火消しに動いた。
すると、0.5%利下げ確率は、70%から22%にまで急低下した。
高官発言で、かくも利下げ確率が急変動すること自体が、市場の不安心理を煽る。
ウィリアムズ発言後に、早々と「7月0.5%利下げ予測」を発表した米大手金融機関などは引っ込みがつかない状況であろう。
米経済紙も、NY連銀総裁問題発言直前には「雇用統計はじめ良好な経済指標相次ぎ、利下げ観測先走りに対する反省機運高まる」との記事を掲載していた。
ところが問題発言後には一転「0.5%利下げの可能性高まる」と報じ、NY連銀修正発言後には「やはり0.25%利下げ有力」とトーンダウンした。
そのたびにNY株価も一喜一憂している。NY金も1,420ドルから1,440ドルまで急騰後、1,420ドルまで急落。
行ってこい、の展開に振り回されている。市場の金融政策依存症が顕著だ。
トランプ大統領も、このゴタゴタに参戦。
「NY連銀総裁の(修正前の)最初の発言が100%正しく、(修正後の)第二の発言より第一の発言を私は好む」とツイートしている。
7月FOMC前までには、まだ重要な住宅関連指標や4-6月期GDP速報値発表がある。その間、高官発言は無い。
日本時間8月1日早朝のFOMC終了後に、「暗闇期間」から抜け出た市場はいきなり結果を聞くことになる。
市場では0.25%利下げが有力視されているが、そもそも利下げ確率の信頼性が薄れつつある。
果たして、0.25%の利下げで米国経済がどこまで変わるのか、との懐疑論も台頭してきた。
どちらに転んでも、8月相場は波乱で始まりそうだ。
ヘッジファンドのファンドマネージャーたちからは、今年ばかりは、夏休み短縮止む無しとの「ぼやき」も聞こえてくる。
異例の酷暑に見舞われたNYだが、市場も8月異常気象に身構えている。
今日の写真は季節の生菓子。どれも、芸術的で、食べるのがもったいないほど。
洋風ケーキとは全く異なる美的感覚だね。
ところで、プライベートなビッグニュースは、体重が過去最大を記録したこと。
高校時代から、長いことボックス圏だったのが、ついに上放れた。
基本的に痩せすぎで、人間ドックのたびに、身長とのバランスで最適体重からマイナス16キロ!と指摘され続けてきた。
それゆえ、普通の人は体重が増えて困るのだけど、私に限っては朗報!
しかも、上がり気味の血糖値が下落傾向に転じた。
たぶん、運動しているからだと思う。
ズボンのサイズが合わなくなり、スーツを作り直し中。長い人生で初体験(笑)