NY金が1270ドル台まで続落。年初来の安値圏です。ドル円は112円水準で変わらないので、円建てでも下がってますね。
野球に例えていえば、3回裏に、同点打で、ゲームが振り出しに戻った感じでしょうか。

 

金チャート

世界の市場は今年、同時不況の可能性が危惧され、主要国の中銀が相次いで金融緩和に舵を切ったことで、投資家心理が、ハイリスクでもハイリターンを狙いたくなっている、というのが「リスクオン」の意味です。
金は投資家がリスクを警戒して慎重になる、所謂リスクオフのときに買われる傾向がありますから、リスクオンだと売りに転じるという解釈です。
昨年末の段階では、今年2019年は、金融正常化の年、つまり、リーマンショックへの有事対応といえる量的緩和から完全に脱皮する年になるはず、でした。米国では量的引き締めに転じると言われました。ところが、中国・欧州発で世界同時不況の恐れがあるので、金融緩和を継続する、ということになったのです。その結果、不況下にマネーが溢れるという異常事態になりました。年末には全く予想されなかった展開です。
中央銀行がマネーを垂れ流すという状況では、金市場にも溢れたマネーが流入しても不思議はないのですが、足元では、ハイリターンを求めて株式市場に流入しています。
とはいえ、いずれ、世界を回遊するマネーが金市場にも入ってくることになるでしょう。
いわゆる「循環物色」という現象で、回遊魚のごとく、色々な投資先にマネーが出たり入ったりするのです。
長期投資の視点では、中国やインドの金市場に流入したマネーは、長期保有されるので、長居します。浮気な投機マネーの動きに惑わされず、じっくり長期を見据える視点が重要です。
ずるずる下がり続けるような相場ではありません。