昨日のNY市場で起きた史上最大のNY株暴落。下げ幅は1175ドル。但し、下落率は4.6%で史上最高ではない。

ツイッタ―@jefftoshimaで「NY株警戒警報発令」とツイートしたのが、NY寄付き2時間前。その後30回、ツイートしたから、それを辿れば、何が起きたか分かる。

 

結局、「劇場のシンドローム」と言われる現象だ。満席の劇場で観客が一斉に出口に殺到するイメージである。

株急落を説明する材料も特にない。金利上昇が株価急落を誘発と言われたが、米国10年債利回りは2.8%台から2.7%台に下落している。株から債券へマネーが逃避したことを示す。

安全資産といわれる金の価格は、1340ドル近辺まで上昇した。

外為市場でも特筆すべき大きな変動はない。若干だが、株安が円高を誘発している程度だ。

株急落の実態は、コンピューター・プログラムが売りの注文を発動して、売りの連鎖を誘発したことによる現象といえよう。相場もAI時代の「ニューノーマル」か。NY証券取引所もサーキットブレーカー発動直前までいったが、結局、発動されずに済んだ。

くしくもパウエルFRB議長就任の日だったが、金融政策面では、利上げ確率が軒並み下落している。今後の展開次第では、「利下げ」さえ絵空事とはいえない。なお、自由の身になったイエレン前FRB議長は早速CBSテレビに出演。「株は高過ぎるとはいえないが高い。やや心配している」と語った。議長在職中であれば、材料視されたであろう。「FRB議長二期務められず残念」と正直な気持ちも語った。

株高を自慢していたトランプ大統領が、どのように反応するのか。市場は大統領に不信任投票を叩きつけているようにも見える。

冷静に見れば、これまで楽観的であった市場に、来たるべき調整局面到来ということだろう。10%程度の調整は不可避と語られて久しい。それがやっと現実となった。

これだけの株暴落なら金も暴騰してもおかしくないが、上がった金を売って利益確定させ、株損失の穴埋めする、という機関投資家の行動も見逃せない。これこそ「有事の金」の真意である。

 

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http://www.news24.jp/articles/2018/02/05/06384900.html