日銀の、それも発券局の職員が、2017年11月頃から18年4月まで記念金貨38枚、375万円相当を盗んだという一件。
なんともお粗末な話しだ。
金融機関から日銀に集まった記念貨幣を調べ、袋に入れる作業中に抜き取ったという。
日銀は監視カメラを設置して、作業は二人で行っていたが、どうやら、カタチだけの事であったようだ。
おそらく、昭和天皇御在位60年記念金貨(通称10万円金貨)だと思われる。
この記念金貨は、中東産の偽物が流通して大騒動になった。
呪われた金貨とでもいえようか。
そもそもミスター円こと榊原氏が理財局に居た頃に発案した記念金貨だったが、金の含有量の価値を大幅に上回る10万円という額面設定が裏目に出た。
純金を使っても、10万円の額面なら、偽物業者は充分に儲かるからだ。
まさか、純金を使った偽物が流通するとは想定してなかった面もある。
鑑定の目利きも見逃してしまった。痛恨の事例ともなった。
日銀にとっても痛恨の内部窃盗事件。
内部管理も性善説から性悪説に移行せねばなるまい。
通貨の信頼・信用に関わることだ。