米国3連休明けてみれば、市場のセンチメント(雰囲気)が急変していた。

先週17日には「米、関税取り下げ」、18日には「中国、6年で1兆ドル輸入増」と二つの観測記事が流れ、ダウ平均は二日で500ドルほど連騰した。

ところが、米国連休中に、中国GDP成長率6.6%、28年ぶりの低水準との経済統計が出た。更に、今月末に予定されている中国副首相の訪米、継続通商交渉がキャンセルされたとの情報が流れ、ダウ平均は一時460ドル超安まで急落した。先週17日18日の急騰をほぼ帳消しにする下落幅だ。「中国経済成長90年代以来の低水準。中国は、現実的な取り引きをしたほうが良い。駆け引きゲームは止めよ」とのトランプ・ツイートも市場の警戒レベルを高めた。

その後、クドロー国家経済会議委員長がテレビ生出演で「月末ワシントンでの米中通商交渉キャンセルの情報は全くの誤り」と明確に否定したことで、ダウ平均は301ドル安まで下落幅を縮小して引けた。

とはいえ、市場のセンチメントはひとたび悪化すると、修復は容易ではない。特に、ダボスからは、2019年世界経済減速懸念の発言が頻繁に聞こえてくる。マーケットでは新鮮味はなく、市場は織り込んだはずのテーマだが、蒸し返される。

原油価格下落もジワリ下押し圧力となる。

 

結局、最近の特徴として、報道の「見出し」に機械が反応して売買注文を発動する傾向が再確認された感がある。報道内容の真偽が測りかねても、信ぴょう性の確認を待たずに、市場は動いてしまう。たまたま、そこで上値・下値抵抗線が突破されると、その後、報道内容が否定されても、既に新たなレンジに移行したことは事実として残る。

特に、米中貿易戦争関連の材料は、投機筋が意図的に未確認情報をはやす傾向が強い。「先に言ったもの勝ち」のごとき様相だ。

基本的に、世界経済同時減速という経済環境では市場は悪材料に対して神経質になる。一つの良い材料が出ても、市場のセンチメントは覆らない。

更に、米国政府機関一部閉鎖の影響で経済データ発表が滞り、市場の視界不良は容易に晴れない。

19年前半は、利上げなしの可能性が強まる中で、米国金融政策から財政政策懸念に市場の関心もシフトしつつある。

財政政策となるとネジレ議会では政治要因が直接的に影響するので、ワシントン発の情報に一喜一憂することになろう。モラー特別検査官率いる精鋭弁護士チームによる「ロシア疑惑」も正念場を迎えている。

大手投資銀行でもニューヨークからワシントンへの人事異動など「経営資源の移転」が出始めた。

 

なお、決算シーズンだが、先週の米大手金融機関の良好な数字による金融株上昇も、米中不安にかき消され、ゴールドマンサックスなどの株価は反落している。今週も米国市場大引け後の時間外で大手企業の決算発表が続くが、貿易戦争関連要因が優り、決算に基づく売買の影響は一過性になりそうだ。

NY金は1280ドル台を割り込んでいたが、前述の市場変動により1280ドル台へ再び反騰(グラフ添付)。

 

なお、今日の産経新聞で金コメントしてます。

「米中の経済が共倒れするなど世界経済が減速・後退すれば、FRBの利上げ断念や利下げが意識され、株から金へと投資資金がシフトする流れが強まるだろう」

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