NY金は1170ドル台。プラチナは760ドル台。パラジウムは840ドル台。暴落に近い状況。

冷静にまとめてみる。

―複合型ドル高構造。米利上げに新興国通貨安が加わった。新興国通貨が売られると、買われるのはドルだ。ドルインデックスは96台に急騰。これに、9月以降は米利上げによるドル買いが続く見込み。円は安全通貨として買われるので、NYドル建て金安と円高により円建て金価格は安くなる。

―コモディティー目線では、金需要構造が7割を新興国に依存。今回の下げは先物売り主導ゆえ、いずれショートカバー(買戻し)も入るだろう。そのときはV字型に回復するが、実需のフォローがないと、一過性に終わる。

―新興国中銀には、自国通貨防衛のための為替介入用ドル資金捻出のために、外貨準備として保有する金を売却する動きも見られる。

 

では、これから、どうなる。

年初日経で語った2018年レンジ1335ドルー1175ドルの下限にもう来てしまった。次の下値抵抗線は1130ドル。

中期的には底値圏と見る。強気。

新興国経済危機で9月利上げ見送りの可能性もある。トランプ減税の財源として米国債増発、米国財政赤字問題が懸念され、ドル信認低下の可能性もある。中国・中国・中東の文化的選好度の高さは変わらない。中国人が金嫌いになるシナリオは考えられない(笑)

円高でNY金も下がることは、珍しい現象。頻繁に起こることではない。

プラチナ・パラジウムは金に連れ安。プラチナには値ごろ感を感じるが、パラジウムは「投機買いの宴の終わり」を感じる。