12月FOMCから一か月。パウエルFRB議長は豹変していた。市場が嫌う利上げもFRB資産圧縮も終了に近い可能性を示唆した。NY金は更に続騰して1320ドル台。

0131チャート.jpg

利上げについては、12月時点でパウエル氏は2019年2回程度を語っていた。しかし、市場は2019年利上げはせいぜい1回、場合によっては利上げ無しもありうるとの見解に傾いていた。結果的には、パウエル氏が市場予測に合わせてきた感が強い。

資産圧縮プログラムは、FRB保有資産適正規模が従来より大きい可能性を示唆することで、急激なFRB資産減少は回避する方向性を明示した。市場は、具体的に3.5兆ドル程度を見込む。既に4.5兆ドルが4兆ドル程度まで圧縮されているので、終着点が視野に入る段階といえよう。世界的ドル不足を懸念する市場の視点では、「世界の中央銀行」とされるFRBには、量的緩和の結果抱え込んだ保有債券は、出来るだけ減らさずドル供給能力を維持してほしいところだ。

なお、FRBのスタンスは、主要金融政策ツールはあくまで金利政策であり、保有資産圧縮は政策手段として二次的としている。まずは、FRBが保有資産を減らすと、経済にどの程度の引き締め効果があるのか、見極める必要がある。FRBも未体験ゆえ、今後、FOMC内でより詳細な議論が交わされることになろう。ちなみに、イエレン前FRB議長は、2017年1月19日、スタンフォード大学での講演原稿で「FRB保有債券の再投資が終了に近づけば、0.25%の利上げ2回分に匹敵する効果がある」と記している。「ステルス」利上げ政策としてFRBの「政策道具箱」に残る可能性はある。

 

今回のFOMC結果に、トランプ大統領はご満悦であろう。

利上げ棚上げ示唆。結果的に、外為市場ではドル安。米国財務省為替監視リストに載る日本では円高となった。

FRBの政治的独立性を尊重しつつ、自ら動くことなく、トランプ流経済政策に寄り添う結果となっているからだ。

トランプ政権の通信簿とされるNY株価も良好な企業決算とハト派的金融政策の相乗効果で急騰している。

金融政策の方向性が見えてきたところで、市場の関心はねじれ議会での債務上限など財政政策にシフトしそうだ。

 

ところで、早くも、鼻がムズムズ、鼻をかむ時が多くなった。相場への反応も早いけど、花粉症への反応も早いのだよね~スキー場の杉の木も、雪が落ちると、茶色の花粉の元が姿を現すのだ。ジャーン!

スギ花粉.jpg