前回、米中実務者レベル会議が開催されるとの観測で、市場に期待感が醸成されていることを、やや懐疑的に書きました。
その後、ウオールストリートジャーナル紙が、この実務者会議で米中トップ会談も協議されるとのスクープ記事を流し、市場では材料視されています。同紙は独自の中国関連情報網を持っていて、ときどき独自取材でスクープ記事を配布します。ですから市場も反応しているのです。要は、これ以上貿易戦争を悪化させても詮無いことゆえ、そろそろ現実的な落としどころを模索しているとの観測ですね。米国経済は絶好調で体力温存だが、中国側は上海株と人民元という不安材料をかかえるので不利にも見えます。トランプ大統領も中間選挙で苦戦の兆し。投票率が低めの中間選挙なので、不浮動票よりコアの保守支持基盤をガッチリ固めねばなりません。そこで保護主義傾向を強めるかもしれません。故に、米中トップが会っても、どこまで現実的に歩み寄れるか極めて不透明です。
さて金価格は案の定買い戻され短期的にリバウンド。といっても1180ドル台。
今週は調査会社GFMSトムソンロイター社が恒例の来日セミナー。
はや一年というか、昨年来日時には、GFMSアナリストと私は日経紙面対決させられましたなぁ。。顔写真入りで大々的に。↓
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20800610V00C17A9QM8000/?n_cid=SPTMG053
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20800650V00C17A9QM8000/?n_cid=SPTMG053
私の完勝でしたけどね。
GFMS
「年内の上値のメドは1355ドルと高い水準で推移すると見る。年末にかけて上昇し、2018~19年には1400~1500ドル台に達するだろう」
豊島逸夫マーケットアナリスト
「12月の利上げ観測もドル高を促し、金相場は年末にかけて1250ドル前後まで下げそうだ。18年もFRBは金融引き締めを進め、引き続きドル高傾向は続く。来年には1200ドル割れもあり得る」
まぁ、武士の情けで、今年は、こんな仕掛けはなさそう(笑)
教訓は、統計データを詳細に並べても、相場の読みがあたるわけではない、ということ。